③インフレリスクに対応できない。
学資保険は、契約時点で返戻率が決まっています。もし今後、世の中がインフレ方向に進み、金利が上がるようなことになると、お金を増やす手段としてもっと条件のよい商品が出てくるかもしれません。学資保険を今、契約したら、その波に乗ることはできなくなります。
学資保険は自分にあったプランを選べる
選べる年齢
学資保険は、子どもにも親にも加入できる年齢に決まりごとがあります。特に子どもが何歳のときから入れるかは、保険料にも関係してくるところです。
たとえば日本生命の学資保険は出生予定日140日前から契約できます。保障内容が同じなら子どもの年齢が低いときに契約するほうが原則として返戻率は高くなるので、こういった仕組みを利用するのもひとつの方法です。
選べる受け取り時期
学資保険でお金を受け取る時期は、大学入学時に一括とは限りません。
たとえば、かんぽ生命の学資保険は大学入学時一括受け取りのほかに、小学校・中学校・高等学校入学直前の12月頃、学資祝金として一部の保険金が前倒しで受け取れるもの、大学入学時だけでなく大学2年、3年、4年と分割してから受け取れるプランなどが用意されています。保険料や返戻率を比較しながらどのタイミングで受け取るかも選ぶこともできます。
選べる保障内容
契約者(親)の死亡リスクは、学資保険の一般的な保障内容ですが、そのほかに特約で子どもの医療保障や個人賠償責任保険、死亡保障などをつけることができます。
特約をつけると返戻率が低くなる点は注意が必要ですが、ひとつの保険で子どもの教育資金と必要な保障を選んでパッケージ化することができます。
学資保険はネガティブにもポジティブにも見える商品
すでに学資保険を調べている人のなかには、本当に学資保険でいいのかな?と不安になる人も多いようです。
「保険ショップで学資保険の相談をしたら別の保険をすすめられた」
「ネットで学資保険を否定的する専門家の意見がたくさんあった」
といった声がよく聞かれます。
学資保険に対するネガティブな声はかなりあります。以前の学資保険払戻率は今よりももっと高い設定でした。その時は高いリターンが期待できたので、多少のリスクには目をつぶることができていました。
ところが低金利(あるいはマイナス金利)時代に突入してから、払戻率はどんどん低くなり、リターンよりもリスクが目立つようになりました。リターンが低くなったことでリスクが顕在化した、という状態です。リスクの高さに対してリターンが十分でなければ金融商品としてネガティブに捉えられるのは当然です。
一方で、学資保険を検討する親にとって「子どもの教育資金を計画的にコツコツ蓄えたい」というのがもっとも純度の高いニーズであり、その点で学資保険は理にかなっている、という考え方もあります。
“契約者が死亡したら以降の保険料の払い込みが免除になる”といった保障は銀行への預金では絶対にできないことです。もちろん銀行の預金と比べるのであれば「保険会社の破綻」「中途解約」のリスクがあることは失念してはいけない注意点です。
このように視点が変わると評価が変わるのも学資保険の特徴です。たしかに払戻率が下がっていることで学資保険が時代遅れな商品になっている面は否定できませんが、商品の特性自体は以前とさほど変わっていません。比較対象を銀行預金にするだけで、まだまだ学資保険が評価されるポイントはあるのです。