今週のみずがめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
窓と波と潮
今週のみずがめ座は、「苦しい固定観念を抜け出していく道を模索していくような星回り」。
戦後の混迷期に生きた女性の生活実感を描いた作品集のなかに、永瀬清子の『窓から外を見ている女は』という詩が入っています。
この「窓」とは女性たちを縛る古い社会のしきたりや、保守的な価値観のメタファーとも読めますし、何より「女」自身の中にある社会や文化などによって規定された固定観念なのではないでしょうか。
興味深いのは、この詩では「女」はそうした「窓」を抜け出していくだけでなく、「潮」のように「かえらなければならない」と書かれている点。女性という性が根底に有している強さや自然が、社会や文化のつくりだす人工物をこえたスケール感を持つものとして捉えられているのです。
今週のあなたもまた、社会や市場に規定されがちな価値基準から抜け出し超えていくための一歩を踏み出していきたいところです。
今週のうお座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
花とたましい
今週のうお座は、「いまの自分の本当に必要なものの実質を、見つめ直していくような星回り」。
「茄子焼いて冷やしてたましいの話」(池田澄子)の句に出てくる「焼き茄子」という料理は、焼くだけでなく、それをまた冷やすというところに、どこか垢抜けした面白味があります。
しかしそれが「たましい」という語に結びつくと、途端におごそかな儀式めいたもののように感じられてくるから不思議です。
生身の肉体をもった人間が、時代という業火に焼かれつつ生き抜き、やがて寿命が尽きて冷たくなる。ひよろひょろと浮かび上がってきた「たましい」は、軍医として中国に出征し戦地で亡くなった作者の父のものか、それとも俳句の師の三橋敏雄のものか。
そんな死者について声に出して「話」をすることで、身近に感じているのかも知れません。自分をこれからも生かしていくためには何が必要なのかを、改めて見極めていくことがテーマとなっていきそうです。