今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
野生をつかむ
今週のさそり座は、「内なる腕白をむんずとわしづかんでいくような星回り」。
服のセンスよりも、香りのセンスがいい方が人としての好感度が上がりやすいという話を聞いたことがありますが、これはとても大事な教えです。
それは外側を覆う記号で相手を捉えるのではなく、内側から漏れ出した野生の感じ取った結果。東京芸術大学で体育の先生をしていた野口三千三氏は、絵を描くにも歌を歌うのにもそういった「内臓の感受性」が基本となると考えていたようです。
今週のあなたは些細な日常の中で、どこまでディープな感性を働かせていくことができるかが問われていくでしょう。それを実践していくには、まず自分の匂いに自覚的になったり、腹のうちにあるものや、等身大の自分というものを把握していくことが不可欠なのだと言えます。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
強くはかなく花のごとく
今週のいて座は、「エロスをみずからグッと引き出していこうとするような星回り」。
九鬼周造は、江戸時代における男女の色恋関係の根底に「いき」という美学を見出しました。それを「媚態」に加えて武士道の「意気地」と仏教の「諦め」の三点の組み合わせの妙として分析し、より端的に「垢抜けして張りのある色っぽさ」と表現したのです。
例えば、江戸っ子がソバにちょっとしたツユしかつけないのと一緒で、人間関係においても相手が大事であればあるほど、あえてがっつかないし、満喫しない。それが「いき」というものでした。
これは言い換えれば、ゲームとしての寸止めを楽しむということでもあって、その意味では純愛は野暮で、そこにエロスがチラつくふしだらな関係にありながら、そこにはまり切らない関係こそが「いき」なのだともいえるかもしれません。
今週のあなたもまた、散りゆく花びらのような上品なはかなさを伴う仕方で楽しみに臨んでいくことがテーマとなっていきそうです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
大河の一滴として
今週のやぎ座は、「自身の根底に流れるエネルギーに、照準を合わせていこうとするような星回り」。
ひとり自分の力だけで戦おうとするのではなく、記憶や文化を通じて伝えられ維持されてきた基盤の上に立ち、それらの力添えを受けていくことがテーマとなっていくでしょう。
1913年にアジア人で初めてノーベル賞を受賞を受賞したインドの大詩人タゴールは、「生命が詩と同じように、たえずリズムを持つのは、厳格な規則によって沈黙させられるためではなく、自己の調和の内面的な自由をたえず表現するためである」と語りました。
自分のなかの不調和な不自由ではなく、調和な自由を表現するためにこそ、私たちは日々、会社で働いたり、家事をし、本を読み、夜寝る前に日記をつけたりするのかもしれません。
今週のやぎ座はそれらひとつひとつの日課の手応えを確かめながら、自身の中の生命の流れを感じていきたいところです。