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仕事で「受動的」が悪いとされる本当の理由

能動的に仕事をするために必要なのは、想像力を働かせること。私はそう考えています。

例えば、あなたはあるWEBサイトの企画制作に携わっているとしましょう。そのWEBサイトで、新進気鋭の小説家Aさんのサイン本プレゼントをすることになりました。ところが、プレゼントの告知がサイトの目立たない場所にあり、募集期間も短かったせいか、応募者数がプレゼント数を下回る結果に。

あなたはAさんとやり取りをする担当者。当選者の名前をサインに書き添えてもらうべく、募集期間が終わったらAさんに連絡をすることになっています。

……さて、あなたはAさんに、この状況をメールで何と伝えますか?

ここで、事実のまま「応募者がプレゼントの数を下回りました。つきましては、その応募者の数だけ名前入りでサインをいただけると幸いです」とAさんにメールを送ったら。

そのメールを見た制作チームのリーダーやディレクターは、「ちょ、待てよ!」と、キムタクばりにツッコミを入れると思います。いえ、入れるべきです。

こんなふうに言われたらAさんはどう思うか考えないのか、と。告知が目立たなかったことや期間が短かったことが原因かもしれないんだから、もっと目立つ形での再告知を検討したりすればいいだろう、と周りは考えるはずです。

受動的に仕事をしていると、このように関わる人たちに悪い意味での引っかかりを感じさせる確率が高くなります。

Aさんの気持ちに配慮せず事実だけ伝えたことも、何が問題だったかを考えなかったことも、もっと目立つ形での再募集を検討しなかったことも、全て想像力を働かせることをサボっている表れ。

逆にいうと、その仕事に関わる人(職場のチームや取引先など)、仕事を目にする人(ユーザーなど)の視点に立って想像力を働かせるようにすれば、自然と能動的に動けるようになり、引っかかりを感じさせるリスクを減らせます。

不快になる人はいないか、傷つく人はいないか、不便だと感じる人はいないか、分かりにくいと感じる人はいないか、それを防ぐにはどうすれば? どこを工夫すれば? 何を足せば? 何を引けば? と想像しましょう。

そんなふうに想像力を働かせれば、何をすればいいかも自然と見えてくるのです。

能動的な姿勢が周りの姿勢も変える

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とはいえ、実際に全ての人を満足させる仕事をするのは難しいもの。不可能と言ってもいいかもしれません。また、全方位に満足してもらおうとすると、結果的に面白みのないものになることもあります。労力をかけすぎて他の仕事に支障が出たり、あなたが体調を崩してしまったりする恐れもあります。

でも、それは能動的になり過ぎた場合の話。そこまで頑張るのは無理かも……という人の方が多いでしょうし、実際いきなり全方位に想像力を働かせる必要はありません。

まずは、想像力を働かせるところを1点だけ決めてみましょう。例えば、どうすればチームの皆が助かると思ってくれる? どうすれば取引先が分かりやすいと評価してくれる?  どうすればユーザーが便利だと感じてくれる? といった視点で。

受動的に仕事をしていた人が能動的になろうとした瞬間、それがささいな点でも、周りの誰かが必ず気付きます。そして周りは、頑張っているな、応援したいな、という気持ちにさせられます。

そんなふうに見てくれている人がいると思うと、ちょっとやる気が出てきませんか?

最初にお伝えしたように、受動的であることは必ずしも短所ではありません。でしゃばらず、求められていることを粛々と行う素直さは美点ですし、仕事でそれが評価されるシーンも多いはず。

ですが、それだけに止まらず、受動的で素直な性格に、能動的な姿勢をプラスできたら最強です。今の自分の良いところを活かしつつ、前向きに自分から動くようにすれば、あなたも周りの人たちも、今よりもっと気持ち良く仕事ができるようになりますよ!

(ヨダエリ)

※画像はイメージです

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