無料の会員登録をすると
お気に入りができます

コロナ不況に負けない「専門職」

ライフスタイル

仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。

今回のお仕事ハックは「専門分野を極めたい」という女性のお悩みに、外資系OLコラムニストのぱぴこさんがアドバイス。

専門分野を極めたいけど……

今の時代、いつ不況になってリストラされるか分からないから、食いっぱぐれない専門的なスキルを極めていくことが大事だなあと、最近身にしみて感じています。

だけど私は新卒からずっと営業職で、経理の知識もなければ、プログラミングスキルもありません。今から何かの専門分野を極めたいと思っていますが、まず何から始めればいいですか?

picture

「専門性を極めたい」

これは、多くのビジネスパーソンがぶち当たる壁です。現代ではITテクノロジーがなくてはならないものにまで成長したこともあり、ソフトウエアエンジニアやデータサイエンティストといった「専門性」を武器に戦う人達の存在も身近です。

少し前だと専門性を持つ仕事=士業(医者、弁護士、会計士など)のイメージがありました。難関国家資格が必要となると「自分とは関係のない話だな」と距離を置けていたものの、現在は「資格職ではない専門職」の存在が見える分、悩む人も多いです。私もその一人です。

そして周囲の友人たちとも「専門性(ハードスキル)」が必要で、それが欲しいというのは、筆頭候補によく出る話です。

専門性は大事。しかし専門一本道は茨道

相談者さんは営業職とのことですが、営業職ではない私からすると「営業がやはり王道。営業ができれば何でもできる。どこでも行ける。そして出世しやすい、金を稼いでる職種である」という観点からうらやましくなります。

隣の芝生は青く、他職種は全て青い鳥に見えるという話です。

また、現在の「専門性職種」筆頭候補とも言えるエンジニアやプログラマーですが、一生専門職として食べていくには非常に難しい職種でもあります。

なぜなら、技術も言語も設計方針もどんどん変わっていくからです。「とにかく新しいことが好きだから、ずっとこの道で、スペシャリストでやっていく」と思っても、ある日ポキッと折れてしまうこともあります。

「これで食っていく」という専門性は強い武器になる一方、その武器が固定化されると武器が通用しなくなった時にいきなり終わる、諸刃の剣でもあります。

「圧倒的に売れる営業」は専門職では?

専門的な「手に職」がないと、「何かができる状態」を過剰に求めてしまう傾向にあります。相談者さんが曖昧なイメージで「経理とか、技術とかの知識がない」と言っている点が、その典型です。

例えば経理も会社によって範囲が大きく違い、経理業務なのか財務業務なのかで、その分野の「潰しの効き方」は全く別物です。

「なんか不安だから、他の分かりやすい名前の仕事が欲しい」という程度の悩みから抜け出せていません。専門性と一口に言っても独学で身に付けられる範囲には限りがありますし、「これをやったらOK」という魔法の何かがあるわけでもありません。

さて、その上でもう一度考えてみた時に、営業職の専門性とは「商材が変わっても売れる」ということでしょう。

この「売れる」がソフトスキルに分類されるため、不安になるのだと思います。しかし、営業を極めたとまで言える人々の業界や職種における圧倒的な「強さ」は、他の職種を上回るものです。

営業職が全く向いておらず続けるのがツライ! というなら話は別ですが、そうでないのであれば「営業」を軸にできることを広げていくのが成功率の高いキャリアプランになるでしょう。

目指すべきは「製品売りの物売り営業」ではなく、サービスと掛け合わせて提案できる「ソリューション営業」です。

これができる人は実は限られていて、できるのであれば業界・職種の方向転換も容易になります。

その上で「営業職にしては詳しい部分」を作っていくと武器が増えます。エンジニアほどじゃなくとも技術の話ができるとか、メイン業務ではないけれど財務諸表が分かり経理上の話を理解して提案できる、などです。

軸を決めて、戦える武器を増やすことを考えよう

日本では、職種別の採用が行われておらず、一般的にジェネラリストを育てる傾向が強いです。

そのため何年かに一度のジョブローテーションを通して、突然人事や経理職に就くこともあります。そんな風潮もあり、余計に専門性を求める気持ちは分かります。

しかし、述べてきたように「営業職じゃない別の専門職種」を目指すのであれば、それは決意と努力が必要な話です。

単純に将来のキャリア上の不安を払拭したいのであれば、営業という軸足を鍛えつつ、オプションの能力を深めていく方向を考えてみましょう。

オリジナルサイトで読む
記事に関するお問い合わせ