今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
不穏さを見抜いていく
今週のさそり座は、そもそも世界は怖いところだったのだと思い出していくような星回り。
今のさそり座は普段ならあまりまとうことのないような、スキャンダラスな空気をキャッチしていきやすいのだとも言えるでしょう。日頃行き来している日常空間から不意に道を逸れ、見慣れない路地裏や非日常への扉の先へ、思わず歩を進めてしまうこともあるかもしれません。
同時に、あなた自身も箸が転んでもおかしかった思春期の頃に戻ったように、いつもの帰り道がどこへ通じ、両足はどこへ向かうのか、自分でもコントロールできないような状況を、どこか楽しんでいるところがあるでしょう。
夜道でふいに三叉路に出会った時の、不安と期待が入り混じったような、なんとも言えない気持ち。まだ名前のついていない感情。そうしたものを糧にしていくことで、今週はみずから「魔法の杖」となって、胸の内に秘めてきた本音や真実を告げていきましょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
一歩進んで二歩下がる
今週のいて座は、自分の考えが一方的な決めつけになっていないだろうかと自問していくような星回り。
シェイクスピアの『マクベス』のシーンを想像してみましょう。雷鳴と稲妻のなか3人の魔女が現れて会話を交わし、その場面の最後「きれいは汚い、汚いはきれい」という有名なセリフを声を揃えて唱えるのですが、原文では“Fair is foul, and foul is fair.” でした。
フェアとファウル、適法と反則、正しいことと間違ったこと、という意味です。つまり、人間の世界と魔女の世界とでは、正しいとされていることや価値観が逆になる。あるいは、良い手段と良い結果、悪い手段と悪い結果が、そのまま対応することなく、ねじれていくようなイメージで、岩波文庫の木下順二訳では「輝く光は深い闇よ、深い闇は輝く光よ」という訳でした。
人や物事の栄枯盛衰を長い視点で冷徹に見つめていくことが得られる微妙なる明知の言葉であり、まさに今のいて座に必要な指針と言えるでしょう。当初は世間や周囲に間違っていると言われた考えがやり方ほど、時を経てやがて正しいことが証明されるものですし、柔弱なものはいずれか必ず剛強なものに勝っていくのです。このことを、今週は改めて胸に刻んでいきましょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
しなやかに根を張ること
今週のやぎ座は、根を天に向けて伸ばしていくような星回り。
古代ギリシャの哲学者プラトンは人間の頭、つまり理性を植物の「根」に喩え、人間を「地面のではなく、天空の植物」であり、根を中空に向けた、さかさまな植物なのだと書き記しました。植物における根は地中に隠れており、生存に必要な水分と栄養を周囲の環境から取り入れることで、自身と周囲の環境との共生関係を作り出しています。
植物はその環境から自分の利得だけをかすめ取ることを決してよしとはしません。表に見せている姿とはまったく異なる、意外な形状の根をアンテナのように環境へと積極的に伸ばしていくことによって、自身を宇宙的な仲介役にしようとしていくのだと言えます。
果たして、そのような植物的な在り方、特に「根」をめぐる環境との関わり方をどれだけ人間は実現できるのでしょうか。今週のあなたもまた、改めてどのような「共同体」を自分がデザインしていきたいのか、ということを改めて考え、とっかかりを掴んでいきたいところです。