今週のみずがめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
鬼が出るか蛇が出るか
今週のみずがめ座は、精神をプラスに反転させていく偶然を見つけていくような星回り。
「長身をもてあますとき秋蝶来」(藤井あかり)という句で詠まれている「長身」というのは、おそらく作者自身のこと。それをあまりポジティブには受け止めていないけれども、そうしてなんとなく自分の長身を持て余していたら、ふいに「秋蝶」がひらひらとやって来るのが見えた。それが、なんだか無性にうれしくて俳句まで詠んでしまったんです。
「秋蝶」は立秋を過ぎてから見かける蝶のことで、春や夏の蝶に比べるとどこか弱弱しく、頼りないような印象を受ける。そんな姿に、もしかしたら作者は自分自身を重ねていたのかも知れません。作者はネガティブ過ぎることもなく、人としての下地にある寂しさが丁寧に紡がれているからか、不思議と読んでいて気持ちがよくなるような感じがあります。
今週のあなたもまた、自虐や被虐に走るのではなく、安らかな湿り気をもって身の周りの世界との交流を楽しんでいけるかが一つの焦点となっていくでしょう。
今週のうお座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
壁を抜けるために
今週のうお座は、身体性の復活を通して人生という物語を復活させていくような星回り。
今から20年以上前、村上春樹は自身の唯一のメンターでもあった河合隼雄との対談(『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』)の中で、今の時代は昔の文士たちと違い、体をきちんと丁寧に扱って鍛えていくことで文体を練り上げ、物語を引き出していくという風に変わってきていると述べています。
いわゆる既存の成功方程式だとか、つい最近まで通用していた「これが正解」みたいなものがまたたく間に通用しなくなってしまう現代社会において、「身体性の復活」とは即ち、そうした人としての「柔軟性」であったり、多様なエネルギーの生み出し方の引き出しだったりということと深く関係しているように思います。
今のあなたもまた、身体性を無視してただ精神だけで壁を乗り越えようとするのではなく、改めてどうしたら自分の生きている物語に「体を入れていけるか」ということに取り組んでいくことが、逆行が明ける11月中旬までの課題となっていきそうです。
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