isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
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2020年下半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
天上天下唯我独尊
今週のおひつじ座は、ともすれば静止しがちな自己を、騒がそう騒がそうとしていくような星回り。
「月を観に誘われ来たり人嫌ふ」(三好潤子)は、秋の月を観に誘われてどこかへやって来た「私」を詠んだ句。月は好きでも人は嫌いとしていますが、この「人嫌い」はあえての振る舞い、つまり演技でしょう。
秋めいて、ますます存在感を増していく月に目線や心を奪われまいと、艶なる自分を見せることによってしか、おのれを保てなかったのかも知れません。つまり、同じ運命を受け入れるにしても、しーんとした孤独にただ耐えておのれを消していくことよりも、作者は水面を跳ねる魚のごとく、華やかでしかありえない自分を演じ切ってみせること選んだのです。
今週のあなたもまた、このままではまだ終われないという気持ちを持て余すことなく、いかに未消化な思いを燃焼させていけるかが問われていくでしょう。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
集合的成果としての個人ということ
今週のおうし座は、地下水のように自身の表面から見えないところで脈々と流れ続けている衝動の奔流に、拍車をかけていくような星回り。
田口ランディの短編集「蛇と月と蛙」の一つに、神社の“しめ縄”と“二匹の蛇”が似ていると女性が語るシーンが出てきます。中には「生き物は、淫らでけなげだなあと思いました。でもきっと、神様の目から見たら、人間も同じように淫らでけなげな、生き物のひとつかもしれないですね」というセリフも。
民俗学者の吉野裕子さんによれば、縄文時代の人々は蛇に「生命力の旺盛さ」を見て取り、祖先神にまで崇めていったのだと言いますが、実際にヘビの交尾は種類によって時に20時間以上にも及ぶことがあるのだそう。
今週のあなたもまた、自身の肉体やその奥底に宿っているエネルギーの巨大さに改めて気付き、掘り起こしていくことが一つのテーマとなっていくでしょう。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ぱわーんぽわーんぽわぽわん
今週のふたご座は、自分自身が外に向かって開かれていくのを実感していくような星回り。
「水音と虫の音と我が心音と」(西村和子)という句では、近くでかすかに聞こえる水の音と、遠くから聞こえてくる虫の音、そして身の内の心臓の音とが響き続けている様子が詠まれています。「水の音」が何なのか定かではありませんが、ここでは聞こえてくる音だけに耳を傾けていきたいところ。
試しに、掲句をまずは三度ほど声に出して音読してみてください。繰り返していくうちに、心音が身体の表面を飛び越えて、次第に周囲へ広がっていくのが感じられてくるはず。音の世界では、人間と虫、生物/非生物の区別はずっと曖昧で、むしろ解消されていくのです。
今週のあなたもまた、自分が何者であり、どこのクラスターに属するのかという認識を、より狭いところからどこまで広く遠くまで拡張していけるかが問われていくことでしょう。