ドンベクの変化とヨンシクの魅力
Netflixオリジナルシリーズ『椿の花咲く頃』独占配信中
幸薄そうで、不運な女と思われていたドンベクが、ヨンシクに出会いみるみる強くたくましくなっていきます。身寄りのないドンベクにとって、はじめて自分の弱音が吐ける相手がヨンシクでした。そんな彼女を見てさらに惚れ直すヨンシクも、韓国ドラマ史上に残るくらいのいい男です。
特に最高だったシーンは、ヨンシクのプロポーズです。ドンベクが「私と一緒にいたら運が悪いのがうつる」と言ったときに「僕は最強の運の持ち主なんです。僕の運をドンベクさんに全部あげる」と言います。
さらに、ドンベクが「とんだ地雷女だと思って後悔してるでしょ?」と聞くと「ドンべクさんがいるところが地雷原だとしたら、なおさら一人にはしておけません」という名言まで残しています。
本当にまっすぐで無邪気で、こんな人に愛されたら最高に幸せだろうなと思いました。
今までの韓国ドラマは、ヒロインが泣いていると優しく抱きしめてくれるクールな男性が多かったように感じますが、ヨンシクは違います。ヒロインが辛くて泣いていると、同じかそれ以上涙を流します。なんだか頼りないように見えますが、そこがヨンシクの良さなんですよね。
ほのぼのするラブストーリーの裏で展開する恐ろしい事件
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平和に見える街で次々起こる不審な火事と連続殺人事件。「ジョーカー」と呼ばれるその人物は、劣等感が生んだ怪物でした。
ドラマを見進めていくうちに、誰が犯人か視聴者も推理できるような構成になっています。犯人を予想しながら見るのはおすすめです。話が進むにつれて、犯人につながる手掛かりが増えてきて犯人にたどり着けることでしょう。
ジョーカーを捕まえようと息巻くヨンシクのギラギラした目は、何度見ても面白いです。そんなヨンシクを警察官の先輩の所長がツッコむまでがセットです。
最後に犯人が話した言葉がゾクゾクしました。
「ジョーカーはどこにでもいる。誰でもなりえるし、また現れる」
親子の絆と母親の愛情に涙が止まらない
「椿の花の咲く頃」には複数の親子が登場します。この記事では特に感動を誘った親子を紹介します。
シングルマザードンベク×ドンベクを捨てた母親ジョンスク
ドンベクが7歳の時に、施設の前に置いていった母親ジョンソクがいきなりドンベクに会いに来ます。彼女がドンベクをどんな思いで置いてきたのか、離れている27年間どんな気持ちだったのか、物語が進むにつれて明らかになります。
子を想う親の気持ち、母親の子どもの危険に気づくセンサーには驚かされます。全ての出来事は偶然ではありませんでした。すべての謎が解けていく感覚を楽しめます。
真っすぐな男ヨンシク×ヨンシクの母親トクスン
夫に先立たれ、女手一つでヨンシクを育てた母親です。自分のものは何も買わず、子どもに時間もお金もささげてきました。トクスンが若い頃の物語は、涙が止まりませんでした。
夫が亡くなった当時は、今よりもシングルマザーに対する世間の目は厳しいものでした。子どもたちにご飯を食べさせるために、夫が亡くなったあとすぐにお店の営業を始めると、近所の人から「こんなに早く商売をはじめて」と言われます。
そんな彼女の元に、ボロボロの服を着て顔に殴られた跡があるお母さんと小さい女の子がやってきます。状況が分かったトクスンは、二人にお肉をサービスであげます。その小さい女の子とお母さんは後の……。