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[9/28〜10/4の運勢]10月1週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

今週のかに座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

私と私

今週のかに座は、堂々たる孤独を見つけていくような星回り。

「一つ置く湯呑の影の夜長かな」(深見けん二)という句で詠まれているのは、秋の夜更けの情景です。傍にある湯呑みが一客であること、さらに湯呑みにも影があることに不意に気付き、そこでは、ふだんなら見えないものが見える静かな時間が流れている。孤独と言えば孤独なひととき。だが、それも悪くない。

ひょっとしたら、自分よりもずっと深い孤独の境地にいたのかも知れない湯呑みを見て、そう自然と思えてきたのでしょう。俳句の「俳」という字は「人」に「非」と書きますが、これは人が常識的には別に驚きもしない、何も感じないところにポコッとそこに穴が開く、それをやることが俳句なんです。

いわば、非ずの上で在るという孤独ということの本質に、この句はふっと開けているのです。今週のあなたもまた、どこかで腰が据わっていくような、この世界に自分が在るという感覚の深まりを感じていけるかもしれません。

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今週のしし座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

想起と哲学

今週のしし座は、「役に立つこと」の追求から「真実と共に生きること」の追求へと改めて舵を切っていくような星回り。

「多くの歴史家が、一種の動物に止まるのは、頭を記憶で一杯にしているので、心を虚しく思ひ出す事が出来ないからではあるまいか」という小林秀雄の言葉を借りれば、今週のしし座はまさに心を虚しくして、ただ自分にとってかけがえのない事実を想起していくことができるかどうかが問われていくはず。

消えてなくなったら寂しい、思い出せたら嬉しい、そんな当たり前の感情を、しばしば私たちはつまらない理屈や見栄で台無しにしてしまいます。先の言葉の前に、小林は「思ひ出が、僕等を一種の動物である事から救ふのだ。記憶するだけではいけないのだらう。思ひ出さなくてはいけないのだらう。」(『無常という事』)次の一文を添えています。

今週あなたは、何を思い出すのでしょうか?哲学するとは、まずもってそうした類の想起なのだということを、今週は胸に刻んでいくといいでしょう。

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今週のおとめ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

運命を愉しむ

今週のおとめ座は、妨げをこそ楽しんでいくような星回り。

「月の雨こらへ切れずに大降りに」(高浜虚子)という句で詠まれているのは、せっかくの秋の夜空に冴えわたるはずの月が、雨が降っていて見えない情景。月を見えなくさせている雨に集中して詠まれた一句で、雨がやむかと期待していたのに…という思いがあるはずですが、それだけでは終わらないところがじつに面白いのです。

「こらへ切れず」とは、それまで耐えていたものが勢いよく行動を起こすさまを表す言葉。これは人間に遠慮して降らないよう我慢していた雨の立場に立っている訳です。つまり、その雨に思いがけず興じてしまう作者の胸のはずみが、自分でも意外なほど期待が外れた拍子抜け感を凌駕していったということなのではないでしょうか。

今週のあなたもまた、普通ではいられない状況や自分自身の運命をどこまで楽しんでいけるかがテーマとなっていくはず。

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今週のてんびん座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

業に選ばれる

今週のてんびん座は、振り切ろうとしても振りきれない業のようなものに選ばれていくような星回り。

「旅人とわが名呼ばれん初しぐれ」(松尾芭蕉)は、『笈の小文』の旅に出ようとした際の餞別会で詠まれた句。とはいえ、名残りを惜しみつつ旅立っていくという感傷的ニュアンスよりも、弟子の土芳(とほう)が書いているように「心のいさましさ」を感じさせます。

初しぐれが降り始めた晩秋の定めなき空のもと、自分もまた定めなき旅に出ようとしている。人から「旅人」と呼ばれる身に早くなりたいものだ、と。そんなどこか世間や社会を意識した、芭蕉のアウトサイダー宣言とも言えるかも知れません。

世の人が旅人に、定住者は漂泊者に、インサイダーはアウトサイダーに、いつなんどき転じてしまうか分からないのが芭蕉の人生であり、芭蕉の望んだ生き方でもあったのです。今週のてんびん座もまた、どこか旅に出ていく芭蕉のように、どこかでいつ何時人生が変わってしまってもいいように、肚を決めて過ごすことを意識してみるといいでしょう。

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