自責の念に駆られる心理とは? 自分を責めてしまう人の特徴や原因を心理カウンセラーの大塚統子さんが解説。克服するための対処法も紹介します。
「なぜあんなことをしてしまったのだろう?」「どうしてちゃんとできなかったのだろう?」と後悔ばかりしていませんか? すぐに「自分が悪い」と考える癖があると、苦しい気持ちになりやすいものです。
今回は、「自責の念」の意味、自責の念が強い人の特徴と心理、それから自分を解放するための対処方法を紹介します。
「自責の念」の意味とは
言葉の意味として、自責は「自分で自分の過ちをとがめること。また、自分に責任があると考えること」、念は「思い」「気持ち」です(『デジタル大辞泉』小学館)。
自責の念に駆られる状態とは、過ちや無力さを「自分のせい」と思い、「自分が悪い」と自分自身を責める気持ちから逃れられない状態を言います。
自責の念に駆られやすい人の特徴
自責の念に駆られやすい人は、何かうまくいかないことがあった時に、まず「自分が悪いのでは?」と考えるタイプです。具体的には次のような特徴があります。
(1)口癖が「すみません」
人から何かしてもらった時、「ありがとう」というお礼の言葉ではなく、「申し訳ありません」「すみません」「ごめんなさい」などと言いがちです。
「相手に迷惑をかけている」と感じやすく、無意識にお詫びの言葉を多く使っています。
(2)責任感が強い
「自分に責任がある」と考えられるのは素晴らしいことです。しかし、あまりにも責任感が強すぎると、本来自分では背負う必要のないものにまで責任を感じてしまいます。
自責の念に駆られるタイプは、失敗は自分の責任と思い、成功は自分の成果とは思わない傾向があります。
(3)ネガティブな気持ちに敏感
人の目線の動きや言葉の端々などから、ネガティブな気持ちだけを敏感に感じ取ります。
「自分の何が悪かったのか?」と不安や心配になりやすく、自分の言い方や態度を思い返して気にします。
(4)後悔しやすい
例えば「ランチに何を食べたか」など、日常の些細なことまで後悔しやすい傾向があります。自分の選択を「結果的に良かった」と肯定するのが苦手なので、なかなか後悔の気持ちから抜け出せません。
(5)怒るのが苦手
怒るのが苦手で、失礼なことや酷いことをされても、「自分が悪いから」と納得しようとするところがあります。
自分が悪くないことまで「自分のせい」と理解しようとすると、心のバランスが崩れてしまうでしょう。
自責の念が強い人の原因と心理とは
自責すると苦しくなるのはわかっているのに、それでも責めてしまうのはなぜなのでしょうか。その原因と心理を解説します。