今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
重荷と難題
今週のさそり座は、みずからの心を育んでくれる言葉や人物の気と繋がっていくような星回り。
「身軽足軽、人を創らず」という言葉は、戦国時代、今川の人質であった若き徳川家康の教育を任され、家康の才能をいち早く見抜いて深く愛し、その心を育んだとされる今川家の重臣・太原崇孚(たいげんすうふ)、通称「雪斎禅師」のもの。
家康は、多くの重荷を背負って生き切った人物として知られていますが、雪斎は「背負う荷がほとんどなくて、身が軽く自分勝手に生きている人などにひとかどの人物はいない」ということをよく分かった上で、あえて家康に対して次々と難題をおしつけました。しかし雪斎と家康は、固い友情と尊敬で結ばれた絆を保ち続けたのです。
ひとかどの人物になる道は“誰か他の人物を尊敬することによって、その人物が背負っている荷が見えるようになり、自分もまた荷を背負うことを厭わない人間になっていく”もの。2人はをそれを互いへの信をかけてやりきったということなのでしょう。あなたもまた、信と引き換えの荷を改めて引き受けていく覚悟を固めていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
言葉を噛みしめつつ
今週のいて座は、なんとはなしにみずからの来し方行く末に思いが広がっていくような星回り。
「一生の手紙の嵩(かさ)や秋つばめ」(田中裕明)は、45歳の若さながら白血病で亡くなった作者晩年の句。「一生の手紙の嵩や」という言い方には、長寿をへて死への諦念を迎え入れていく人とは、また別の無念の思いが滲み出ているように感じます。
作者の脳裏には、手紙の一通一通につづられた思いや、刻まれた月日のことが飛燕の如くよぎっていったに違いありません。おそらく、多過ぎもしなければ、少なすぎもしない。それくらいの嵩であることが、余計に心惜しさを引き立てます。
今週のあなたもまた、現在を中心に過去と未来へ触れていく言葉の振れ幅を可能な限り開いていくことがテーマと言えるでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
本能と野蛮
今週のやぎ座は、どうしたって不自然にはみだして自分自身を受け入れていこうとするような星回り。
心理学者の河合隼雄がどこかでユングの言葉として「ヒューマン・ネイチャーはアゲンスト・ネイチャーだ」という言葉を紹介していました。感染症やウイルスもひとつのネイチャーだとしたら、それらと抗うことで生き延びようとしている人間たちはまさに「自然に逆らう存在」としての「アゲンスト・ネイチャー」に他ならないはず。
もちろん人間は矛盾した存在ですから、どこかで自然と同調し、自然のために(フォー・ネイチャー)存在している部分も持ち合わせていますし、そうでありたいと願って菜食主義を貫いたり、リサイクルへの配慮を心がけたりしていく人も多い訳ですが、それでも、どうしたって自然に逆らい、彼らとの調和からはみだしてしまう。
それを悪だ罪だと見なし過ぎれば、私たちは満足に日常生活を送ることができなくなってしまうでしょう。今週のあなたもまた、自分がどうしても捨てられない資質や趣味趣向について、改めて肯定していくことがテーマとなっていきそうです。