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自分でデザインして印刷できる!やまさき薫さんに教わる「紙版シルクスクリーン」

インテリア

1.シルクスクリーンってなに?

版を外すまで予想がつかない。まだ見ぬ柄にときめいて。

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 「シルクスクリーン」といえば、ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホルが用いたことで有名な版画の技法のひとつ。Tシャツやバッグなどの布地に絵柄を印刷するときにもよく使われ、インクの風合いなど独特の質感が魅力です。 
 やまさき薫さんがシルクスクリーンに出合ったのはグラフィックデザインを専攻していた大学時代のこと。研究室に残されたシルクスクリーンの機材に触れたのがきっかけでした。

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「気候や湿度で変わるインクの硬さ、手でさわった質感やインクの匂い、色を重ねたときの予想できない感じ。すべて初めてで、いつの間にか惹き込まれていました」。それから、シルクスクリーンにのめり込み、現在は作品を作るだけでなく、ワークショップを開いてシルクスクリーンの楽しさを伝えています。教えるのは、絵柄を版に焼き付けて製版する通常の方法ではなく、紙に絵を描いて切り貼りする「紙版」を使う方法。「自分で好きな柄を作れるし、コツをつかめば、小さな子どもでも不器用な人でもできますよ」とやまさきさん。
「どんな柄にしようかな?」
 そう考えるだけで、わくわくしてきます。

用意するもの

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①シルクスクリーン用のメッシュが張られた木枠・・・今回はA4サイズを使用。
②スキージ(スクリーン版画用のヘラ)・・・インクを版に印刷するのに使う。
③水溶性スクリーンインク・・・やまさきさんは「ダイカラー」を保存容器に入れ替えている。
④キッチン用のヘラ・・・インクをのせるときに使う。やまさきさんは「セリア」のものを愛用。「持ち手とヘラが一体になっているのでインクが詰まらず洗いやすい」とのこと。

紙版に使うもの

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①紙・・・今回はA4サイズのコピー用紙。
②はさみ・・・絵柄を切り抜くときに使う。
③マスキングテープ・・・柄をつくるときや版を布に固定するときに使う。
④丸いシール・・・水玉模様をつけたい部分に使う。

2.シルクスクリーン基本の手順

①紙版Aを作る

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A4のコピー用紙に手ぬぐいの柄となる絵を描き、色をつけたい部分をはさみやカッターで切り抜きます。今回はもみの木の形を描くので、紙をランダムに縦半分に折り、ラインに沿って模様を描きました。

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描き終えて開いたところ。左右対称の柄は半分に折ったほうが、描く手間も切る手間も減ります。しずく型やハート型、水玉などの柄もこの方法で作れます。

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再び折り目で縦半分にして、はさみでだいたい形どおりに切ります。太ったのや細いの、いろんな木ができました。

②紙版Bを作る

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先ほどの紙版Aの上に新しい紙を置いて、木を透かしてバランスを見ながら湖を描きます。

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左右上下対称のイラストじゃなくても、少し折ってはさみで切り込みを入れて、はさみを入れる場所を作ると切りやすくなります。

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2版分完成。紙版Bには湖のほかに、バランスを見て鳥も描き加えて切り抜きました。「どんな風になるか、まだ自分も想像がついてません」と笑うやまさきさん。

③晒に紙版とスクリーン枠をセットする

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刷り台となるベニヤ板にマスキングテープで四隅を留めて手ぬぐいとなる晒(さらし)を固定します。Tシャツやバッグに刷る場合は、この工程は必要ありません。

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晒の柄を入れたい部分に紙版Aをのせます。木に雪を降らせたい場合は、小さな丸のシールをここで貼ります。

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