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自分でデザインして印刷できる!やまさき薫さんに教わる「紙版シルクスクリーン」

手ぬぐいやバッグ、Tシャツなどに、「自分で描いたイラストを印刷できたらいいな」と思ったことはありませんか? 今回紹介する「シルクスクリーン」はそんな夢を叶える印刷技術です。作家のやまさき薫さんに自宅でできる「シルクスクリーン」のやり方を教わりました。

撮影/木村文平

2017年9月
DIY

1.シルクスクリーンってなに?

版を外すまで予想がつかない。まだ見ぬ柄にときめいて。

 「シルクスクリーン」といえば、ポップアートの旗手、アンディ・ウォーホルが用いたことで有名な版画の技法のひとつ。Tシャツやバッグなどの布地に絵柄を印刷するときにもよく使われ、インクの風合いなど独特の質感が魅力です。 
 やまさき薫さんがシルクスクリーンに出合ったのはグラフィックデザインを専攻していた大学時代のこと。研究室に残されたシルクスクリーンの機材に触れたのがきっかけでした。

「気候や湿度で変わるインクの硬さ、手でさわった質感やインクの匂い、色を重ねたときの予想できない感じ。すべて初めてで、いつの間にか惹き込まれていました」。それから、シルクスクリーンにのめり込み、現在は作品を作るだけでなく、ワークショップを開いてシルクスクリーンの楽しさを伝えています。教えるのは、絵柄を版に焼き付けて製版する通常の方法ではなく、紙に絵を描いて切り貼りする「紙版」を使う方法。「自分で好きな柄を作れるし、コツをつかめば、小さな子どもでも不器用な人でもできますよ」とやまさきさん。
「どんな柄にしようかな?」
 そう考えるだけで、わくわくしてきます。

用意するもの

①シルクスクリーン用のメッシュが張られた木枠・・・今回はA4サイズを使用。
②スキージ(スクリーン版画用のヘラ)・・・インクを版に印刷するのに使う。
③水溶性スクリーンインク・・・やまさきさんは「ダイカラー」を保存容器に入れ替えている。
④キッチン用のヘラ・・・インクをのせるときに使う。やまさきさんは「セリア」のものを愛用。「持ち手とヘラが一体になっているのでインクが詰まらず洗いやすい」とのこと。

紙版に使うもの

①紙・・・今回はA4サイズのコピー用紙。
②はさみ・・・絵柄を切り抜くときに使う。
③マスキングテープ・・・柄をつくるときや版を布に固定するときに使う。
④丸いシール・・・水玉模様をつけたい部分に使う。

2.シルクスクリーン基本の手順

①紙版Aを作る

A4のコピー用紙に手ぬぐいの柄となる絵を描き、色をつけたい部分をはさみやカッターで切り抜きます。今回はもみの木の形を描くので、紙をランダムに縦半分に折り、ラインに沿って模様を描きました。

描き終えて開いたところ。左右対称の柄は半分に折ったほうが、描く手間も切る手間も減ります。しずく型やハート型、水玉などの柄もこの方法で作れます。

再び折り目で縦半分にして、はさみでだいたい形どおりに切ります。太ったのや細いの、いろんな木ができました。

②紙版Bを作る

先ほどの紙版Aの上に新しい紙を置いて、木を透かしてバランスを見ながら湖を描きます。

左右上下対称のイラストじゃなくても、少し折ってはさみで切り込みを入れて、はさみを入れる場所を作ると切りやすくなります。

2版分完成。紙版Bには湖のほかに、バランスを見て鳥も描き加えて切り抜きました。「どんな風になるか、まだ自分も想像がついてません」と笑うやまさきさん。

③晒に紙版とスクリーン枠をセットする

刷り台となるベニヤ板にマスキングテープで四隅を留めて手ぬぐいとなる晒(さらし)を固定します。Tシャツやバッグに刷る場合は、この工程は必要ありません。

晒の柄を入れたい部分に紙版Aをのせます。木に雪を降らせたい場合は、小さな丸のシールをここで貼ります。

④インクをのせて刷る

スクリーン枠の上部に、ゴムベラでインクを均等にのせます。余ったら容器に戻せばよいので、慣れるまで多めにのせると失敗が少なくなります。

スキージを片方の手に持ち、もう一方の手で木枠を固定して、インクを擦り付けるように手前に引きます。スキージは約60度に傾けて一気に手前に引きます。力が足りなかった場合は、もう一度上から下に擦り付けてもOK。ただし、やり過ぎるとにじみの原因になるので注意しましょう。

⑤木枠は洗い、晒は乾かしておく

スクリーン枠はインクが乾かないうちに水で洗い、水けをタオルで拭き取ります。インクが乾いてしまうと目詰まりを起こすので注意! プリントした晒は自然乾燥、もしくはドライヤーで乾かしておきます。

⑥紙版Bを刷る

紙版Bを紙版Aの絵柄とバランスを見ながらマスキングテープで固定します。湖の水面の揺れを表現するのに、マスキングテープを細くちぎって貼り、シルクスクリーン枠を置いて刷ります。

紙版Bはインクの色をブルーに変えました! どんな風に刷り上がるのかドキドキの瞬間。

紙版はスクリーン枠のメッシュ部分に自然にくっついてきます。きれいにブルーの色がのりました!

インクが乾いたら、木の中に貼った丸いシールや水面をあらわすマスキングテープを剥がします。

⑦当て布をしてアイロンをかける

そのまま使うとインクが滲んでしまうので、必ず当て布をしてアイロンをかけ、インクを定着させます。

⑧でき上がり!

モミの木と水たまりのような湖、そして2羽の青い鳥。森の奥の静かな湖畔があらわれました!豆ふきんは食器ふきやランチョンマット、手ぬぐいなどさまざまな用途に使えます。

今回は2枚の紙版を使いましたが、最初は紙版1枚だけでイラストを完成させると失敗がありません。

3.トートバッグ

布製のバッグにシルクスクリーン印刷する方法も基本は同じです。今回印刷するのはセリアの縦長のトートバッグ。横25cm×縦30cmとA4サイズが入る大きさで、もちろん100円です。

①紙版を作ったら、刷るときにめくれないようにマスキングテープを丸めてトートバッグに留めます。

②インクをのせて、スキージを手前に引きます。ここは基本の手順と同じ。

③スクリーン枠を外したら、インクが乾くのを待ち、紙版やシールを剥がします。乾いたら、当て布をしてアイロンがけをしましょう。

4.Tシャツ

①紙版を作り、動かないようにマスキングテープを丸めてTシャツに固定します。

②スクリーン枠を置いて、インクをのせ、スキージで印刷します。

③スクリーン枠を外したら、インクが乾くのを待ち、当て布をしてアイロンがけをしましょう。

おすすめの道具はこちら

簡単シルクスクリーン(中)

アーテック

¥ 1,495

シルクスクリーンを始めるためのスターターキット。作りたいもののサイズを確認してください。

内寸:170×240mm
カットスクリーン枠サイズ(mm):220×300
付属品:スキージ、説明書

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www.amazon.co.jp
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水溶性スクリーン絵具 ダイカラー

新日本造形

¥ 1,365

シルクスクリーン用のインク。布・紙に利用できます。乾燥後に必ずアイロンをかけるなどの熱処理をすると、色落ちしません。

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www.amazon.co.jp
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セットで1名様にプレゼント

今回やまさきさんが版画を手がけた豆手ぬぐい、Tシャツ、トートバッグをセットで1名様にプレゼントします。

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を明記の上ご応募ください。締め切りは2017年9月30日。当選は発送をもって代えさせていただきます。

やまさきさんのアトリエ兼ショップはこちら

木の質感がかわいいやまさきさんのアトリエ兼ショップ「ヤマコヤ」。シルクスクリーン印刷のTシャツや手ぬぐい、ポストカードなどが販売されています。オリジナルのベーゴマもあります。

出身地である鹿児島をモチーフにした手ぬぐいも。折り方によって桜島柄ときびなご柄になるのがユニークです。かごに入った米粒おにぎり柄の手ぬぐいも人気商品です。

ヤマコヤはJR中央線・東小金井駅の高架下の素敵な空間にあります。ヤマコヤが入っている「アトリエテンポ」には5組の作り手のアトリエが併設されています。

●atelier tempo(アトリエテンポ)
住所:東京都小金井市梶野町5-10-58 コミュニティステーション東小金井内
営業時間:11:00~19:00(食堂/昼11:30~14:30、夜18:00~22:00)
定休日:水曜日(食堂/火・水・木曜日)

アトリエテンポのHPはこちら

教えてくれた方はこちら

やまさき薫● 東京学芸大学教育学部美術科卒業。デザイン事務所勤務を経て、 紙媒体のデザイナー・イラストレーター、シルクスクリーン版画作家として活動中。制作・ワークショップを中心に、「暮らすこと、つくること、伝えること」を大切にしたものづくりを目指している。

やまさき薫さんのホームページはこちら
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