isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
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2020年下半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
迷子になる技術
今週のおひつじ座は、あえて“迷子”になっていくような星回り。
風に運ばれてきた雪のかけらが、風下の地域にちらちらと舞うことを「風花」と呼びます。「風花の一片にして遠ながれ」(皆吉爽雨)では、初めから遠くまで流れてくることが運命づけられていたかのような風花の様子を、大げさに騒ぎ立てるのではなくきわめて平明に、それでいながら、何かただ事ではないことが起きていることを伝えています。
ちょっと買い物へという態で失踪してしまった人をも思わせますが、生きていればそんな気分になることだってあるのではないでしょうか。これまで当然のように従っていた文脈が不意に失われてしまった時、人は自分がどこにいるのか突如分からなくなり、迷子となる。
今週のあなたもまた、あえて迷子となってみるべく、いつもなら行かない場所や、身を置かない文脈へと足を延ばしてみるといいかもしれません。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
未来に戻ろう
今週のおうし座は、自分と自分との隙間を見通していくような星回り。
第一次世界大戦中の1918年から始まり、極めて多くの死者を出したスペイン風邪のパンデミック。同じ頃にヨーロッパの精神的没落に警鐘を鳴らした『精神の危機』を書き、大きな反響を呼んだ人物がポール・ヴァレリーでした。
ヴァレリーは5000年とか1万年といったスケールで、「精神」と呼ばれているものの役割について構想してみせました。しかし別の講演録でとある質問者に「半世紀後の生活がどうなるか」と尋ねられたところ、彼は肩をすくめ、そして質問者は質問の射程を小さくして「二十年後は、どうでしょうか?」と質問したんだとか。
それに対してヴァレリーは「我々は後ずさりしながら未来に入っていくのです……」と話したといいます。今週のあなたもまた、みずからの過去の要請を改めて振り返って、それに応えていくことで、少し先の未来を思い描いていくことがテーマとなっていきそうです。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
Swing Home
今週のふたご座は、ひょいと仕事に隠れていくような星回り。
仕事をするのはその仕事が好きだからという場合もありますが、なんとなく他の現実や家族から隠れたくなって仕事をしているという人も多いのではないでしょうか。「冬ごもり妻にも子にもかくれん坊」は、江戸時代の三大俳人のひとりであった与謝蕪村もまた、そんな一人であったことが分かる一句。
蕪村は京都で何度か転宅していますが、50代半ばから68歳で亡くなるまで腰を落ち着けて住んだとされる終の棲家で詠まれた句。画家でもあった彼は、妻と子のいる母屋から十歩ほどの離れをアトリエとし、そこで絵を描き、思索をし、家族から「かくれん坊」する自分の城としたのでしょう。
むろん、たまに鬼につかまることだってある。それは確かに面倒なことではあるけれど、「かくれん坊」という遊びの一環だと思えば、そう悪くない心地がしてくるはずだ。今週のあなたもまた、今度こそしばらく捕まらないぞという意気込みで、仕事に隠れてしまうようなところがあるかもしれません。