人気のプロカメラマンにスマホの撮影テクを教わっちゃおう!というこの連載、今回のテーマは “水族館”。 水槽の中で激しく動き回る魚くんたちをカメラ素人がスマホで撮れるのでしょうか? そのコツを聞いてきました!
写真・文:田代わこ
【カメラマンが教える! いいね! がつくスマホの撮影テク】vol. 30
今回もプロカメラマン、佐藤朗先生に撮影テクをお聞きしましたので、2回にわけてレポートします。まずは水槽を撮るときの基本からスタート!
水槽を撮るときのコツって?
水槽越しに撮影すると、ガラスに自分の姿やカメラが写り込んでしまってうまく撮れない……なんてこと、よくありますよね。特に、水槽の外が明るい状況では、自分の姿がバッチリ写ってしまいます。そんな写り込みを防ぐには、できるだけスマホを水槽に近づけて撮影するとよい、とのこと。
上の写真は同じ水槽を撮ったものです。左の写真にはスマホが写っていますが、右ではカメラを水槽に近づけたため写り込みが防げました。水槽の中は明るいので、スマホをガラス面に近づければブレ防止にもなるそうです。
魚の撮り方、入門編
それでは魚を撮ってみます。まずは動きの少ないサンゴの撮影からチャレンジ。
何も考えずに撮ると、ただの水槽を撮っただけになってしまいます。これではおもしろい写真にならないので、最初に「構図」を考えるとよいそうです。どこからどこまで撮ろうか、と想像を膨らませるのがポイント。そして「露出」は構図を整えてから、撮影時の状況で判断するとよいそうです。撮影の際には、できるだけレンズをガラス面に近づけることも大事な点なので忘れずに!
ということで、形がユニークなサンゴに近寄って撮影。思ったよりも水槽の中が明るかったので、露出補正で少し暗くしてみました。
さらに、水槽から離れて撮りたい場合は、なるべく斜めではなくガラス面に平行になるように撮ると照明の反射も少なくてすむそうです。
動き回る魚の撮り方は?
次は、動きが活発な魚を撮る場合のコツについて教わります。タイミングよく、またブレることなく魚を撮るには、どのような点に気をつければよいのでしょう? 試しに、金魚を追いかけて何枚か撮ってみたのですが、どれもブレブレ。かなり難しいです。
この場合も、まずは全体の構図を決めて、そこに魚がくるのを待つ。そして、できるだけたくさん撮って後から選ぶのがベターとのこと。魚は予想できない動きをするので、動き回るものを追いかけるのはかなり難しいそうです。デジタルカメラの追尾オートフォーカス機能があれば可能なことも、やはりスマホカメラでは限界があるのですね。最初に魚の動きを観察し、その動きを読んで「ここに来い」と狙い撃ちすれば成功率が上がるようです。
ということで、なんとか撮ったのが上の写真です。結局ブレてしまいましたが、空中を飛んでいるような構図を狙ってみました。
ちなみに、水族館の方に金魚の鑑賞方法を聞いたところ、上から見るのもオススメとのこと。「上見(うわみ)の金魚」という言葉もあり、昔は木の桶などに金魚を入れて上から美しい尾びれの広がりなどを鑑賞していたそうです。写真も横だけでなく上の方から撮るとおもしろいかもしれません。
ズーム機能は使っていいの?
続いて、水族館の人気者「カクレクマノミ」を撮ってみます。ディズニー映画ですっかりおなじみになったカラフルでかわいいお魚も、撮る前に構図を決めるのがポイント。
イソギンチャクの前に魚が来るのを待ってから撮影しました。ただ、カクレクマノミは小さいのでアップで撮りたいとも思ったのですが、佐藤先生のお話では「極力ズームは使わないほうがいい」とのこと。暗い水族館内ではカメラが自動的に感度を上げて撮ってくれるため、画質が悪くなるそうです。ズームを使えばさらに画質は低下するので、望遠で撮るのはできるかぎり避けたほうがいいようです。
ということで、ズームがいらない大きなウツボを撮ってみました。カメラ初心者の方は、なるべく大きくて動きの少ない魚で撮影練習してみるといいかもしれません。
次回はクラゲとペンギンにチャレンジ!
水族館の撮り方・基本編、いかがでしたか? 水槽にカメラを近づけ、構図を決めてから撮るという点をおさえれば、カメラ初心者でもおもしろい写真が撮れると思います。ぜひチャレンジしてみてくださいね! 次回はクラゲやペンギンなど水族館の人気者をステキに撮る方法をご紹介します。