isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
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2021年上半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
沈黙と言葉
今週のおひつじ座は、内気と力強さが入り混じって、ひとつの思想が醸成されていくような星回り。
現代ほど人がたくさんの情報量を浴びながら生活している時代はかつてありませんが、同時に現代ほど言葉ひとつひとつの力が失われ、何かを伝えたり口にしたりすることの意味が陳腐化してしまった状況もないのではないでしょうか。
逆に、古代の言葉というのは、つねにその中心にはひとつの大きな沈黙があって、いかにそこから放射状にさまざまな言葉が形づくられようとも、繰り返しこの沈黙という中心に帰っては、あらためてこの中心から始まるようにできていました。しかもそうした傾向は、沈黙とはほど遠いものと思われがちな求愛や憤激の言葉であれば尚更強まったのです。
あなたもまた、あえて沈黙を欲することで、その沈黙の深みからやっと歩みでたばかりの最初の言葉の力強さを改めて獲得していきたいところです。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
透明な無名者として在る
今週のおうし座は、こちらを立てればあちらが立たず、でもそれがどうしたというような星回り。
「沈丁や風の吹く日は香を失す」(阿部みどり女)という句では、春の到来を告げる花である沈丁花でさえも、春に吹く強い風のもとでは香りを失ってしまうのだと詠います。俳句はよく実際に起こったことを瞬間的に切り取る文芸なのだということが言われますが、これは“起こらなかったこと”に時間の経過のなかではじめて気付いた際の心のおこりを詠んだものなのでしょう。
とはいえ、その春風が吹かなければ草花も芽吹かず、鳥たちもさえずりを誘われないことも事実ですから、作者はここであえてアポリア(意図的困惑)のうちに留まっているのかも知れません。
つまり春風か、沈丁花の香りかという二者択一を早急に片付けようとするのではなく、ゆったりとそのはざまで春を味わっている訳で、ここではそんな作者そのものが春の化身となっているかのようです。あなたもまた、吹けば消えてしまいそうな新たな現実の輪郭をしずかに見守ってみるといいでしょう。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ブランコと覚悟
今週のふたご座は、誰か何かにひとつの決定的な要求を突きつけていくような星回り。
歴史的事実を離れて勝手に解釈をするなら、サーカスの天蓋ではじめて空中ブランコが催されたとき、そこには誤って地面に落ちたブランコ師を救うネットはまだ張られてはいなかったのではないでしょうか。
というのも、ハラハラドキドキする感覚も含めての見世物で、そこでは空中で結ばれあう手と手こそが主役であって、それ以外の不必要なものの一切は省かれていたはずだから。ブランコ師とは極限状況を創りだす一種の職人であり、宙を飛ぶ瞬間はあらゆる人間関係における不安と緊張が凝縮したひとつの「作品」に他ならず、同じ空間にいるすべての者にある決定的な余韻を刻印していくのです。
すなわち、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という瞬間をいつかきっと自分も実際に体験するのだ、と。あなたもまた、「身を捨てて」ということができるかどうかが問われていくことになりそうです。