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[3/15〜3/21の運勢]3月3週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

今週のさそり座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

自然な雑然

今週のさそり座は、心と体のバランスを整えていこうとするような星回り。

「春昼(しゅんちゅう)に体を入れて立ててをり」(あざ蓉子)の「春昼(しゅんちゅう)」とは春の昼、その春特有のどかな時間の流れを指す言葉。ただ掲句では「体を入れて」とあるように、まるでそんな語を空間を表わす言葉であるかのように用いています。大人のからだが納まってしまう巨大な水槽が、実際にここではないどこかにあるかのように。

それは作中主体である意識とはどこか別の領域へと体だけ切り離されて、体は体で自身を「立てて」いるのだと言うのです。これはどこか眠気を誘う春という季節のけだるい気分を、目の前の実景を詠む客観写生という俳句の伝統を離れて、純粋な言葉による組み立てのみで一句に定着させたことと併せて、見事に表現されているのではないでしょうか。

つまり、一見アクロバティックな離れ業をやってみせたように見せながら、その実、心と体がふわりの別の次元に離れつつ存在している感覚を至極まっとうに描いてみせているのではないか、と。あなたもまた、みずからの心身の訪れたかすかな変調をきちんと過不足なく捉えていくことがテーマとなっていくでしょう。

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今週のいて座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

現を抜かす

今週のいて座は、俗世の煩わしさから離れて、ディープな遊びにかまけていこうとするような星回り。

同時代の有名詩人である王維や李白、杜甫などより一回り年上で、尊敬され慕われていた人物こそ孟浩然(もうこうぜん)。彼は役人になるための科挙に受からず、世間的には不遇の一生を送りましたが、年下の詩人たちからはその人柄や才能を愛され、孔子の「夫人(ふうし)」という弟子たちからの呼称になぞらえ「孟夫子」と呼ばれていました。

李白が孟浩然に贈った詩のなかに「風流天下聞こゆ」とあったように、彼は俗世間的なことにわずわらされず、自由奔放に生きて詩歌や芸術の世界に浸っていく、スケールの大きさで世に知られ、当代一の風流人とされていたのです。そんな彼の最も有名な漢詩が「春暁(春の明け方)」でしょう。

冒頭、いつ夜が明けたのかわからない寝起きから。前半二句は朝の光景、三句で場面を転じて昨夜のことを詠い、最後の四句目で全体を結ぶ。ちなみに「多少ぞ」は「どれくらい(花が散ったの)だろうか?」という疑問形であり、簡潔ながら余韻を豊かに味えるはず。あなたも、たまには夜遊びにうつつを抜かしてみるのも悪くないでしょう。

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今週のやぎ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

250年くらい生きるつもりで過ごしてみよう

今週のやぎ座は、みずからの心境や気持ちの変化にゆっくりと気付いていくような星回り。

「蕗の薹(ふきのとう)」は春を告げる風物の一つで、天ぷらにすると独特の苦みを感じるもの。これは蕗の花の芽の部分で、地上に現れたところを摘んで料理に使うのです。「蕗の薹見付けし今日はこれでよし」(細見綾子)はそんな蕗の薹を見つけて、きっと春そのものをつかまえたような気分になって、心ひそかに満足しているところなのでしょう。

地味な情景ではありますが、ラットレースのようにつねに慌ただしく次の予定やタスクに追われ続けている現代人にとって、そう遠くない未来の兆しを一つ見つけただけで「今日はこれでよし」とする作者の潔さにハッとさせられるものがあるはず。

これは逆に言えば、日常のなかに何らかの兆しや符牒を見付けるということを、ひと昔前の人たちは現代人が想像する以上に重く受け止め、とても大切な営みと見なしてきたということでもあるのではないでしょうか。あなたもまた、行動を急ぐ代わりに心に差し込むちょっとした兆しをじっくりと味わっていきたいところです。

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