isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
心むなしく知を改める
今週のてんびん座は、虚心で他者を受け入れぶつかり合う「遊び」の時空を切り開いていくような星回り。
江戸後期、各地の藩校の抱えていた共通の課題は、身分制度のぬるま湯に浸かっていた上級武士の子弟たちに学問への意欲を湧かせること。そこで全国の諸藩の優秀な遊学生が集まった昌平坂学問所を皮きりに採用・制度化され、普及していったのが「会読」でした。
会読とは文字通り「公開の場で共同で声を出し合いなされる読書」のことで、その後明治時代まで中頃まで隆盛していくことになるのですが、それは「素読」と呼ばれるテキストの丸暗記の過程を終了した上級者同士が「一室に集つて、所定の経典の、所定の章句を中心として、互いに問題を持ち出したり、意見を闘わせたりして、集団研究をする共同学習の方式」(石川謙『学校の発達』)だったようです。
現代社会では、読書は静かな場所で孤独に行われるすぐれて内面的な行為とされますが、日本でも明治初期までは黙読ではなく音読が主流だったのであり、他人のために朗読することは日常のそこかしこで頻繁に見られる光景でした。あなたも誰かと一緒に、誰かのために活動していくことの楽しさ嬉しさを改めて見出していきたいところです。
今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自然な雑然
今週のさそり座は、心と体のバランスを整えていこうとするような星回り。
「春昼(しゅんちゅう)に体を入れて立ててをり」(あざ蓉子)の「春昼(しゅんちゅう)」とは春の昼、その春特有のどかな時間の流れを指す言葉。ただ掲句では「体を入れて」とあるように、まるでそんな語を空間を表わす言葉であるかのように用いています。大人のからだが納まってしまう巨大な水槽が、実際にここではないどこかにあるかのように。
それは作中主体である意識とはどこか別の領域へと体だけ切り離されて、体は体で自身を「立てて」いるのだと言うのです。これはどこか眠気を誘う春という季節のけだるい気分を、目の前の実景を詠む客観写生という俳句の伝統を離れて、純粋な言葉による組み立てのみで一句に定着させたことと併せて、見事に表現されているのではないでしょうか。
つまり、一見アクロバティックな離れ業をやってみせたように見せながら、その実、心と体がふわりの別の次元に離れつつ存在している感覚を至極まっとうに描いてみせているのではないか、と。あなたもまた、みずからの心身の訪れたかすかな変調をきちんと過不足なく捉えていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
現を抜かす
今週のいて座は、俗世の煩わしさから離れて、ディープな遊びにかまけていこうとするような星回り。