【本】地球の大きさを実感!『写真家だけが知っている動物たちの物語』(ロザムンド・キッドマン・コックス著)
『写真家だけが知っている動物たちの物語』
(ロザムンド・キッドマン・コックス著/日経ナショナルジオグラフィック)
★こんな一冊
アザラシが人にペンギンをプレゼント。シマウマの子をかわいがるライオン。オタマジャクシを育てる雄ウシガエル……心に残る60話。世界一の動物写真賞ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー受賞作品集。
★IMALUの「ここがオススメ」
いろんな国のいろんな写真家さんが撮った野生動物や昆虫の写真集です。動物が好きなので本屋さんでふと目に留まって。虫はちょっと苦手なのでそこは飛ばしちゃうんですけど……どれも強烈な写真ばかりです。
例えば、「物思うヒヒ」という、ジンバブエのマナブルーズ国立公園で撮影された作品。ヒヒが鳥を食べる前に手に乗せて、深く考えるようにこの死骸を見つめる姿を映し出しています。この表情が、まるで人間のようで……。もしかしたらまだ温かい亡骸を前にした、人間と同じような気持ちでいるのかも?
ーーヒヒの表情がなんとも言えませんね。他に気になる作品はありますか?
「求愛の切り札」という、オーストラリアで撮られたすごくかわいい一枚。オオニワシドリの雄は雌にアピールするために、自分の巣をすごく華やかに飾るんですけど、この写真の子は、大学のキャンパスから拾ってきた自慢のピンク色のクリップをくちばしにくわえて、ひょっこりカメラ目線(笑)。キュートすぎます!
写真の横の解説文にも書いているように、オオニワシドリはカップル成立して交尾が終わると雄はすぐいなくなり、雌はいきなりシングルマザーとして子育てをするんです。で、雄は引き続きこの飾りもののメンテナンスを続ける。そんな動物の面白い習性も勉強できます。
ほかには、日本ではロマンチックなイメージがあるコウノトリがスペイン南部のゴミ集積所でゴミ漁りをしている写真や、サンショウオの仲間・ヘルベンダーによる縄張り争いの死闘、温暖化の北極を生きるホッキョクグマの姿などなど。知らない世界をたくさん見せてくれて、地球の大きさを感じられる1冊です。いつか本物を見てみたいな!
【本】異なる視点が見つかる!『翻訳できない 世界のことば 』(エラ・フランシス・サンダース 著)
写真中央が『翻訳できない 世界のことば』
(エラ・フランシス・サンダース 著・前田まゆみ 訳/創元社)
★こんな一冊
例えば日本語の「侘び寂び」や「木漏れ日」のような、外国語だとドンピシャな表現が見つからない、訳してはみてもニュアンスまで伝わらない言葉たち。いろんな国の、そんな翻訳できない言葉を、かわいいイラストとともに紹介している。
★IMALUの「ここがオススメ!」
「こういう言葉の表現が欲しかった!」から「なんでそんな言葉が生まれたんだ?」みたいなものまで、違う世界の言葉でモノゴトを見ると、違ったアングルや考え方が浮かび上がってきます。煮詰まったときにこの本を読むと、頭が柔らかくなって、答えが見えてくることも。
ーー特にお気に入りの言葉はありますか?
「日々の疲れを癒すためにみんなで集まりコーヒーなどを飲んだりして過ごす時間のこと=FIKA」(スウェーデン語)。日本にはない言葉だし、そんなひとときを積極的に持とうという意識も少ないから、素敵です。
そして、とにかく謎なのが、「バナナを食べる時の所要時間=PISAN ZARPA」(マレー語)(笑)。なんでこんな言葉が生まれたんだろう? 「不運としか言いようのない人=SHLIMAZEL」(イディッシュ語)も味わい深いですね。
ちなみに、アラビア語で「日が暮れたあとに夜更かしをして友達と過ごすこと」を「SAMAR」(サマル)って言うんだけど、私の名前と似てますよね。「太るとか」、そんな意味じゃなくてよかった(笑)!
【本】独特の感性が好き!『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(若林 正恭 著)
向かって右側の本が『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』
(若林 正恭 著/KADOKAWA)
★こんな一冊
お笑いコンビ・オードリーの若林正恭さんによる、新作オール書き下ろし。航空券予約サイトで見つけた、たった1席の空席に運命を感じ、何者かに背中を押されたかのように2016年夏、ひとりキューバへと旅立つ。ただの旅エッセイでは終わらない、若林節炸裂の一冊。
★IMALUの「ここがオススメ」
若林さんならではの感性と表現にグイグイ引き込まれます。面白くてスラスラと読めてしまうので、普段あまり本を読まない方にもオススメです。
「お気に入りの作品を見つけるヒントになればうれしいです!」
葉巻をくわえたり、リアルに現役で走っているクラシックカーに驚いたり、キューバの革命家・カストロの演説に想いを馳せたり。コーディネーターさんに案内してもらった場所や、いろんな人との出会いが丁寧に書かれていて、自分もひとり旅をしている感覚になります。
ひとり旅の途中は、私もよく「この人、誰かと似ているな」なんて、心でつぶやいてるから、若林さんの文章に、ついついニヤリとしてしまうんです。
【coming soon!】後編「写真で振り返ります!IMALUの忘れられない海外旅行の思い出」に続きます!
IMALU(いまる)
text:城リユア(mogShore)
Photo:中田 浩資
Hair&make:mayu
Styling:水嶋和恵(La Plage)