isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
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2021年上半期の運勢も配信しているので、こちらもぜひチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
井戸掘り人として
今週のおひつじ座は、誰かとのあいだで「井戸」を掘っていこうとすること。
『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』のなかで村上春樹は、自身にとって転換点となった『ねじまき鳥クロクニル』について、「『井戸』を掘って掘って掘っていくと、そこでまったくつながるはずのない壁を越えてつながる、というコミットメントのありように、僕は惹かれたのだと思うのです。」と語っています。
この本の別の箇所で、河合隼雄は「昔の夫婦というのは、ただいろいろのことを協力してやって、それが終わって死んでいって、それはそれでめでたしだった」けれど、「いまは協力だけではなくて、理解したいということになってきている」と述べた上で、「理解しようと想ったら、井戸掘りするしかしょうがないですね」と言っています。
たぶん「井戸掘り」というのは、能動的に掘っていくというより気付いたら掘り始めていて、やがて不安になったり怖気づいたりしているもの。大抵の人はそこで投げ出すけれど、まれにそのまま掘り続けてしまうという事態がある。あなたも、そんな井戸掘りにいつの間にか精を出している自分に気付いて、不思議な気分になっていくかも知れません。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
夢を担う
今週のおうし座は、さまざまな力加減に思いを馳せていくような星回り。
「平凡な言葉かがやくはこべかな」(小川軽舟)に出てくる「はこべ」とは、道ばたなどによく自生している、春の七草の一つ。きっと作者も何の気なしに道を歩いていて、道ばたの陽だまりに思いのほか濃い緑の草を見つけたのでしょう。
それがほころぶように小さな白い花を咲かせている。こんな身近な場所で、これ以上ないほど慎ましく、春が来たことを告げているのだと、作者はそこで改めて気付いた。やっと巡ってきた春を喜び、それを歌に残してきた先人たちや、その系譜の切っ先に立っている自身の姿を、そっと「はこべ」に重ねてみせたのかも知れません。
四季は繰り返される一方で、人生という時間は後戻りすることなく進んでいく。それは無情な現実ではあるけれど、だからこそ、永遠に循環する時間の海に浮かぶ束の間の夢として私たちの傍らにあり、それを大事に感じることができるのだとも言えます。あなたも野辺に咲く「はこべ」に自身のささやかな喜びを重ねてみるといいでしょう。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
塩に導かれて
今週のふたご座は、みずからを自由にしていこうとするような星回り。
現代では「自由」と言えば、拡大する格差のなかでの残酷な自己責任論や、その表裏としての強烈な上昇志向という文脈・その不可能性において、使われることが多いのではないでしょうか。その点、17世紀の哲学者スピノザはそれとは異なる観点から「自由」ということを考えており、例えば主著『エチカ』の冒頭で次のように述べています。
「自己の本性の必然性のみによって存在し・自己自身のみによって行動に決定されるものは自由であると言われる。これに反してある一定の様式において存在し・作用するように他から決定されるものは必然的である、あるいはむしろ強制されると言われる。」
スピノザは人は自分に与えられた(身体的・精神的)条件をあらかじめ分かっている訳ではなく、さまざまな”実験”を繰り返しながら学んでいくことで、少しずつ人は自由になっていくのだと考えたのです。あなたもまた、まずはみずからの本質が踏みにじられている状態(「強制」)から脱していくことを最優先にして動いていきたいところ。