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[3/29〜4/4の運勢]4月1週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

今週のさそり座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

虚実の反転

今週のさそり座は、思いがけず自分なりの“リアリティー”が深まっていくような星回り。

「桜咲きつめたき肌の人を診し」の作者・北垣一柿は無季俳句の論客で、三井鉱山田川鉱業所の病院長を歴任した人。桜が咲きはじめて、暖かくなってきた或る日の診察での実感を句にしたのでしょう。病人は熱があるのもいたはずですが、開放療法をやっていたので逆に肌がつめたい者もいたのかも。いずれにせよ、作者の手は鋭敏にそれを感じとった。

それまであたりに漂っていた陽気とは対照的な、思わずハッとさせるほどの患者の「つめたさ」に作者は一気に現実に引き戻された訳ですが、作者にとっての現実とは、きっとどこまでも白く透きとおっていて、青味さえ帯びて冴えている病人の肌のようなものだったのではないでしょうか。

1909年生まれの作者の妻は、東条英機の夫人の姪であったそうですから、戦後は損な立場にあったはずで、もしかしたらここにもそんな社会上の不利が影のように差していたのかも。あなたもまた、おぼろげに感じていた現実が意外な角度からスッと到来することになるかも知れません。

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今週のいて座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

こちら愛、応答せよ!

今週のいて座は、「能動的な主体」というモデルを超えたところで為すべきことを為していこうとするような星回り。

『プリズン・サークル』とは、日本の刑務所を取材して撮られたドキュメンタリー映画。そこでは受刑者同士の対話をベースに犯罪の「原因」を探りながらその更生を目指す「TC(Therapeutic Comunity=回復共同体)」というプログラムが導入され、受刑者たちは自分たちが犯罪を起こすに至った、さまざまな経緯や背景を共有していきます。

いわば運命に巻き込まれて行為させられた“被害者”としての自分を見つめるプロセスなのですが、最終的にはみずからの意思に基づいて起こした犯罪の“加害者”としての自分を見つめることに。人は加害者であるが被害者であり、被害者であるが加害者であるという、近代的な考え方においては両立しえない正反対の命題が両方とも肯定されていきます。

特に、自分を何か運命としか言いようがないものの“被害者”と捉えると、普通は「責任逃れ」と非難されてしまう訳ですが、自分がやってしまった問題行動をひとつの現象として客観的に研究していくと、不思議なことに、次第に本人は自分の行動の責任を引き受けられるようになっていく。こうしたアプローチは、今のいて座にとって非常に大きな示唆を与えてくれるように思います。あなたもまた、自分が報いるべき事態に心から向きあっていくべし。

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今週のやぎ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

運命と岐路

今週のやぎ座は、どこか誰かに自分だけが分かる“特別なしるし”を見出していくような星回り。

春は猫にとって求愛の季節。「恋猫に颯(さ)とたてがみのやうなもの」(いのうえかつこ)は、そんな春の風物詩を描いてみせた一句なのでしょう。「たてがみ」は馬の背にあって、走るとなびいて馬の美しさを際立たせるものですが、それに類するものが「恋猫」にはあると言うのです。

「恋猫」とは雄の猫であり、これから目当ての雌に逢いに行くのでしょう。面白いのは、作者がそれをすっかり雌猫の立場になって見ているという点。「たてがみ」の発見は恋のなせるわざであり、こんな恋猫こそ自分の前へ現れてほしいと願うこころこそが、恋猫を登場させたのだということなのかも。

得てして、自分にとって特別な相手であることを示すしるしというのは、初めて見かけたにも関わらずそれとすぐに分かるものだったりしますが、その意味で掲句は作者が春の宵のなかで夢想した特別な出逢いの情景なのだとも捉えられるのではないでしょうか。あなたもまた、自分に与えられていた自分への約束を不意に思い出していくことでしょう。

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