【整理収納アドバイザーが徹底解説!】年齢とともにどんどん増えるおもちゃ。子どもが出しやすく片付けやすいおもちゃ収納のコツを紹介します。
「いい加減に片付けなさい!」際限なく散らかるおもちゃについイライラ…
整理収納アドバイザーでおもちゃコンサルタントでもある副島千尋さんに、子どもが自分で片付けやすいおもちゃ収納について教えていただきます。
1.おもちゃ収納の理想は"子どもが遊びやすく片付けやすい"こと
おもちゃの定位置を決める時はまず動線を考えましょう。
ふだん子どもはどこで遊びますか?
おもちゃ置き場と遊ぶ場所が離れていると、子どもは遊ぶときには取りに行きますが戻すときに遠くて面倒くさいので、出しっぱなしになります。
どこで遊ぶのかを観察して近くに定位置を決めると、戻しやすくなります。
テレビの前で遊ぶなら、テレビボードはDVDを入れるものだという固定概念を取り払いテレビボードの引き出しにおもちゃ入れを作るのもいいかもしれません。
お絵描きをする場所のそばに紙、クレヨン、描き終わった絵をしまう場所や飾る場所を決めておけば、最後まで簡単に楽しくできるようになります。
ある程度の年齢になったら、おもちゃの定位置を決めるときは子どもと一緒に話しながら決めるとよいでしょう。
自分で決めるというのはうれしいもの。自分の場所に愛着がわいて責任を持つようにもなります。
2.おもちゃは子どもが片付けきれる量にする
「片付けたよ!」子どもに呼ばれ行って見てみると、まだ部屋のあちこちにおもちゃが…なんて光景はありませんか?
これは、子どもが適当にやっているわけでなく、視野が狭いのが理由。
子どもは、5才なら5分と、年齢=分と言われるくらい集中力も短いそうです。お片付けが10分以上かかるようなら見直しが必要でしょう。
ただし「これ遊んでないね」と勝手に、親が減らしたり捨てたりするのはNG。
子どもは「自分のことをわかってくれない。勝手に捨てられる」と信用しなくなりモノを手放さず抱え込むようになってしまいます。
子どもと一緒におもちゃを1軍・2軍に分ける
量を見直すときは子どもに仕分けしてもらうのがよいでしょう。
「どれがいるの?」と聞くと「全部いる!」となってしまうので、「よく遊ぶ」「たまに遊ぶ」など頻度で分けてみたり、「好き」「少し好き」など感情でわけてみるなど、子どもに響くわけ方でわけてみましょう。
「お兄ちゃんぽいもの」「赤ちゃんぽいもの」などというわけ方は子ども心をくすぐり、「これはもう赤ちゃんにあげる!」と成長の過程も見ることができるかもしれません。
分類し終わったら、一番よく遊ぶ場所に「よく遊ぶ」「好き」に分類された言わば1軍のおもちゃを置いておきます。
そして「たまに遊ぶ」「少し好き」に分類された2軍のおもちゃは2階の子供部屋など別の場所に移動します。
このおもちゃを1軍、2軍とわけ、子どもが管理できる量にしてあげるのがポイントです。
ルールを決めてむやみに増やさない
わけたとき、子どもが「もう遊ばない」と言ったものがあったら遠慮なくその場からは取り除いてください。
「いただきものだから・・・」「高価だったからもう少しとっておきたい」という親側の都合で手放せないものは、親の場所で管理しましょう。
大きくなってくると、分けたときに「思い出のあるもの」「大事なもの」などが出てきます。そういったものは普段遊ぶおもちゃとは別に思い出ボックスや宝物ボックスに入れてもいいですね。
おもちゃの量をキープするには「この箱に入るだけ」と持つことのできる量のルールを決めるのが大事です。
新しいものを買いたいときは、先に場所が空かないと入ってこないと子どもに伝え、むやみにモノや収納用品が増えていかないよう、しっかりルールを守るようにしましょう。
3.おもちゃ収納にはどんな家具が便利?
収納用品で気を付けるポイントは「高さ」「扱いやすさ」「空間」です。
まず「高さ」。
子どもの目線でしっかり見える位置、取れる位置にあることが大切です。斜めになっている収納も見やすいですよね。
配置は、よく遊ぶものが真ん中で取り出しやすい場所にするなど、細かく決めることもできますが、まずはざっくりでよいと思います。
次に「扱いやすさ」。
大人が何気なく開ける引き出しやふたも、指先が未発達の子どもには難しい場合もあります。古いタンスなど両手で引き出すものや重いものは避けましょう。
おもちゃ自体が大きかったり重いものもあります。そういった場合は下段に配置することや、箱にキャスターやひっぱるひもなどを付けると、「取り出しやすく戻しやすい」が実現します。
最後は「空間」です。
詰め込みすぎはNG。増やすつもりがなくても、おまけでもらったり、どうしても増えていくのがおもちゃ。最初は余裕をもって7割収納くらいにしておくとよいでしょう。
ぎゅうぎゅうの本棚に本を戻すのは大人でも大変ですよね。左手と右手をうまく使えるようになるまでは、特に片手で簡単にしまえるようにしましょう。
写真のようにカゴの上に空間があれば、カゴを片手で引かなくてもポンと戻すことができます。
ちょっとしたことであっても、毎日のお片付けとなるとこのちょっとの差が継続して片付けられるかにつながるので、ぜひ見直してみてください。