何かを我慢するようなダイエットはつらいですよね。無理な食事制限はからだの不調を招き、精神的にも大きな負担がかかります。痩せないと悩んでいる方は食事量を減らすだけでなく、食事の質とバランスを見直しましょう。そこで今回は、気軽に毎日続けられる「太りにくい食事」を、管理栄養士の池田明日香さんに伺いました。
食べないダイエットは絶対NG!「太りにくい食事」とは?
ダイエットというと食事制限のイメージがありますが、極端な食事制限はNGです。まずはダイエット中の食事の注意点をご紹介します。
ダイエット中の食事。注意すべきポイント
ダイエット中でも、極端な食事制限はおすすめしません。食事量を減らすと一時的には体重が減るかもしれませんが、からだにとって必要な栄養素が不足して健康を損なうおそれがあります。
また、摂取エネルギーが減るとからだが省エネモードになり、元の食事に戻したときにリバウンドしやすくなってしまいます。
ダイエットの基本は「栄養バランスの良い食事」
「太りにくい食事」とは、適切なエネルギー量があり、たんぱく質やビタミン・ミネラルなどの栄養素がしっかり補える食事です。たんぱく質はからだを作り、ビタミン・ミネラルは代謝をサポートします。
とくにダイエット中は、筋肉の材料となる「たんぱく質」を意識して摂るようにしましょう。不足すると筋肉量が維持できず、代謝の低下につながります。
ダイエット中の食事は以下の3つを揃えることを意識すると、自然とバランスが整いますよ。
・主食(ご飯、パン、麺などの炭水化物)
・主菜(肉、魚介類、卵、大豆製品などのたんぱく質)
・副菜(野菜、きのこ類、海藻類などのビタミン・ミネラル)
必ずしも、3つのお皿に分けなくても大丈夫。麺や丼ものなどの1品メニューでも、この3つの要素が入っているかを確認してみましょう。足りなければ次の食事で補い、無理なく調整してみてくださいね。
「太りやすい食事」とは?
次に、太りやすい食事とダイエット中のおすすめ食材をご紹介します。
どんな食事が太りやすい?
一概にはいえませんが、炭水化物と脂質に偏った食事は太りやすくなります。
たとえば、ラーメンやピザ、チャーハンといった一品料理の主食メニューは、炭水化物と脂質が多く、太りやすい食事といえます。どうしても食べたい!というときは、日中の活動量の多い時間に食べ、あとの食事は軽めにして調整するようにしましょう。
また、ラーメンなら野菜と卵をトッピングして栄養素のバランスを整え、脂質と塩分の多いスープは残す、といった工夫をしてみてください。
ダイエット中におすすめの食材は?
ダイエット中におすすめなのは、「たんぱく質が摂れる食材」と「噛み応えのある食材」。
たとえばヨーグルトは、たんぱく質が摂れることに加え、乳酸菌が腸内環境を整えて便秘の改善に役立ちます。
野菜のなかではブロッコリーがおすすめです。ブロッコリーはたんぱく質が多く含まれ、糖質が少ないのでダイエット向きの食材といえます。
大きめにカットして固めに茹でれば、しっかり噛めるので満腹感が得られやすくなります。
噛み応えのある食材として、ナッツ類もいいでしょう。ナッツには質の良い脂質である「不飽和脂肪酸」が多く含まれ、血流を促す、からだの炎症を抑えるといった働きがあります。
ただし、カロリーが高いので食べ過ぎには注意が必要です。
「太りにくい食事」のルール
最後に、太りにくい食事のルールと、ダイエットに役立つ情報をご紹介します。
野菜から食べる
野菜やきのこ、海藻類に多く含まれる食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにし、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の分泌量を抑えます。インスリンは中性脂肪の合成を促進する為、過剰分泌すると肥満の原因になるホルモンです。
食事の際は野菜から食べ、食事のはじめにしっかりと食物繊維を摂っておきましょう。
夕食よりもランチにボリュームをもたせる
内臓にはそれぞれ活動時間帯があり、胃や肝臓など消化吸収に関わる臓器は、夜は動きを最小限して休息モードになります。その為、遅い時間の食事は代謝されにくく、消費できないエネルギーは脂肪として蓄積されてしまいます。
夕食は控えめにして、ランチをしっかりめに摂るようにしましょう。
極端な禁止は逆効果
「これは絶対に食べない!」というような制限をするのは、かえって逆効果になることも。ストレスから過食に走る可能性が高く、リバウンドを招きやすくなります。
たとえば甘いお菓子が止められないなら、週に一度、ご褒美としてじっくり味わって楽しんでください。好きなものを口にすることは心の栄養にもなり、ダイエットの励みになりますよ。