SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
皆さん、こんにちは。さあ、今日から七月です。夏至を迎え、梅の実も黄色く色づき、そして菖蒲が咲きました。夏至は、毎年7月7日の七夕頃までつづきます。今は梅雨の最中なので中々意識しにくいですが、夏至とはずばり、太陽のエネルギーが一年を通してもっとも強い期間。つまり、陰と陽の「陽エネルギー」が最大限に満ちている時です。「陽」というエネルギーは、拡散する力である「陰」に対して、ぎゅっと収縮する力。2021年の上半期で得た経験や学びがいちど何かしらの形として実を結び、次なるステージである下半期へ向けてゆるやかにバトンタッチしていくような人も多いのではないでしょうか。
今回は、「梅雨のあいだはどんな食養生をすると良いの?」というお話。毎年梅雨の時期がくると、なんだか頭や体がだるくて重い、つられて心もだる重い、という人が多いですよね。東洋医学では、「気・血・水」の三つの要素が体を構成しており、この三つがうまく循環しバランスが取れた状態を「健康」と考えます。ところが梅雨のあいだはこのうちの「水」が不調を起こしやすく、これを「水毒」と呼んだりします。体に余分な水分が溜まってしまい、それがうまく体の外へ出てくれない状態のことですね。頭痛や体の重さも水毒によって起こってきやすいのだとか。ですので、今大切なのは、この水分をうまく外へ出してあげられる、水はけの良い体を作ってあげることです。
梅雨にハトムギを食べるのがおすすめな理由
photo by Megumi Sekine
たとえばウォーキングなどの軽く汗をかく運動をしたり、シャワーではなくお湯にちゃんとつかってじんわり汗を流すことで、体内の余分な水分を逃してあげる。そうすると水の巡りがだんだん改善されていきますが、まず日々の食事でできるアプローチとして、簡単に取り入れられる食材をご紹介します。余分な水分を排出して水分循環を良くし、むくみにも効く三つの食材が、ハトムギ、小豆、そして緑豆からできた春雨です(春雨は緑豆からできているものと、馬鈴薯などからできているものとありますので、裏面の成分表示をチェックして緑豆のものを選ぶようにしてみてくださいね)。
今日はハトムギにフォーカスしてみましょう。ハトムギは利尿(デトックス)作用がすぐれており、体の要らない水分をおしっことしてしっかり出してくれますし、体内の水の巡りを良くしてくれるのでこの時期にむくみがちな手足をスッキリとさせてくれます。また新陳代謝を促して皮膚の炎症トラブルを和らげてくれるので、肌荒れが改善されていくことも期待できます。日本では古くから肌荒れ改善ややイボ取りの食材として愛されてきたそう。
ハトムギのいちばん手軽な摂取方法は、いつものお米に混ぜて炊くことです。量はお好みですが、全体の1割から2割ほどでやってみると良いのではないでしょうか。ハトムギと一緒に小豆を入れて炊いてあげても尚良いですね。私のおすすめは、時間のあるときにハトムギを炊いておいて、小分けに冷凍しておくこと。味にくせのないハトムギは、サラダや和物にぱっとちらすだけで良いので、いつでも簡単に取り入れられます。
調理に手間を感じる方は、まずはハトムギ茶として日常的に取り入れてみるのもおすすめですよ。さらっとしていて香ばしく、飲んで重たい感じがないので非常に飲みやすいのが特徴です。ハトムギを上手に使って、ぜひ梅雨のあいだの疲れやすい体と心をケアしてあげてくださいね。