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[8/16〜8/22の運勢]8月3週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

カルチャー

今週のさそり座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

平凡を積み上げた先の非凡

今週のさそり座は、平凡の隣りで非凡に遊んでいくような星回り。

「昼までに少し間のある秋の風」(名取文子)の大事なところは、「秋の風」へのたっぷりとした間合いにあります。もとより、秋は一日一日と日が短くなっていく季節。何やら心急く思いに駆られやすい時期でもありますが、身近な仕事が一区切りついた午前。ほっとひと息ついて、何気なく窓から外を見る、というのが句意。

この「少し間のある」という言い方は、いたって平凡な表現ではありますが、この場合はそれがなんとも絶妙なところに置かれていて、その間合いに作者の言外の思いやたたずまいが見事に表現されているように感じます。秋風とは、そんな時のこころに立つ、さざなみのような姿でもあるのでしょう。

斬新な素材や感覚を駆使して読むものを瞠目させるのも俳句の醍醐味かも知れませんが、こうした句に触れると平凡に隣接しつつ、薄紙一枚隔てて非凡な感受を一作に収めるのも俳句のたのしさなのだということがよくわかるのではないでしょうか。あなたも、なんでもないようなところで、絶妙に周囲を引き込んでしまうところが出てくるかも知れません。

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今週のいて座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

人生の句読点

今週のいて座は、そのままでは一直線に進んでいってしまう時間の流れに、句読点を打っていくような星回り。

「VACANCY」と書かれた看板は、日本語に直せば、「空き部屋あります」だろうか。いや、厳密には「空き部屋あり」くらいのどこか人を突き放したような、素っ気なさが肝心なのかも知れない。

すっかり薄暗くなった路上で目にするモーテルのこの表示が、一日の移動に終止符を打たせる。目的地を定めない、気まぐれな移動のさなかにあって、その日その日の安堵を得られるのも、この表示のおかげなのだ。多くの旅人はそうやって移動してきたのであり、いて座にとっての人生の移動も、その途上に「VACANCY」のサインを偶然みかけることで、予想だにしなかった展開を見せることがしばしばだったはず。

どこに、いつ、空き室を探し当てたのか。そこに、祖国から離散したあらゆる旅人たちの、単独性の根拠があり、また、それが物語の乗り換え拠点にもなっていったのではないか。あなたもまた、自分がハマりこんでいる文脈や物語を適切なところで切断していくべし。

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今週のやぎ座の運勢

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illustration by ニシイズミユカ

振動とその伝播

今週のやぎ座は、リアリティのオルタナティブが到来してくるような星回り。

それはまるで、「バナナチップス堅し空港がらんだう」(村越敦)という句のよう。カリカリにスライスされたバナナチップスは南国の味ですが、「堅し空港」と続くと途端にそこに肉体的および社会的なリアリティが加わって、「めんどくさそーだなー」と一瞬思ってしまったところに「がらんどう」で面食らい、呆然とする一句です。

空港は地を這うように地続きな私たちの日常的リアリティをぱっきり切断し、遠くへ繋がっていくためのハブともなりますが、さしあたりの体感としてもやはり「がらんどう」なのでしょう。つまり、掲句の「がらんどう」とは、実際に空港に人がほとんどいないのではなく(コロナ禍の今の状況ではむしろこちらが現実的かもしれないが)、体感としていったん“からっぽ”になって、生まれ変わっていくということなのかなと。

なんて言うと断食合宿かよって話ですが、私たちの中で決定的に何かが変わってしまう時というのも、何気なくバナナチップスを食べていて、その乾いた響きが内臓や骨を震わせた時だったりするのかも知れません。あなたもまた、不意にリアリティが入れ替わっていくような実感が湧いてくるはず。

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