バスタブに浸かっている時間を利用して、血管力アップをしませんか? 簡単なマッサージで、冷えの原因にもなるゴースト血管をリカバーしましょう。お風呂で温活、首、腕、足、骨!? のマッサージで血流を活性化!
ゴースト血管って何?
ゴースト血管の名付け親で20年もの間、血管の研究を続ける大阪大学微生物病研究所の髙倉伸幸さんによると、冷えの根本には毛細血管の機能不全があると言う。
髙倉伸幸さん 人が住まなくなった街をゴーストタウンと呼ぶように、形はあっても機能していない血管を“ゴースト血管”と名付けました。毛細血管は全身にある37兆個の細胞に酸素や栄養素を運び、CO2や老廃物を回収します。とても繊細ゆえに習慣や加齢によってダメージを受けるのですが、破壊されても、毛細血管には神経は届いていないので痛みは感じない。冷えなどの自覚症状が出た頃にはすでに血管は空洞化しています。
ただ、壊れてもリカバーは可能。
髙倉伸幸さん 半身浴でカラダを芯から温めて、血流を促しましょう。そうすると、毛細血管はよみがえりますよ。
毛細血管に効果的な入浴方法

ココロとカラダをゆるめるためにじっくりとバスタブに浸かろう。
気軽に取り組める「温活」の代表格である入浴には、血管力を高めるポイントがあった。
髙倉伸幸さん リラックスすることが重要なので、少し長めに浸かって休息モードへと切り替える半身浴がおすすめ。全身浴は水圧がかかるため、心臓への負荷が大きいといわれています。湯船で過ごす時間をゆっくりとりたい場合は、お湯は少なめにしたほうがいいんです。
のんびり過ごすことで得られる効果は多い。
髙倉伸幸さん 毛細血管をはじめ、血管は自律神経の影響も受けています。ココロを穏やかにする副交感神経が優位になると、体内では毛細血管とその上流にあたる細動脈の境にある前毛細血管括約筋がゆるみます。すると、毛細血管にも血液が流れ始める。全身の巡りが整うことで、ゴースト血管も復活します。人によってほぐれる時間に差はありますが、10分以上でよいでしょう。
湯の温度も重要である、と髙倉さん。
髙倉伸幸さん 40°C前後のぬるめのお湯がいいですね。温度が高いと交感神経を刺激されて、アクティブモードのスイッチが入る可能性もあります。
※ 『anan』2021年12月22日号より。イラスト・かざまりさ 取材、文・松岡真子(by anan編集部)
※ 2021年12月18日 配信
血流を活性化! バスマッサージを始めよう。
引き続き、大阪大学微生物病研究所の髙倉伸幸さんに血管力を高めるバスマッサージ方法を聞きました。
髙倉伸幸さん リンパ管の発達した首、動脈にダイレクトに働きかける腕、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎ、冷えを感じやすい足先の4か所を狙うといいです。皮膚の上から骨に沿って、手のひらでなでるようにマッサージをします。