2. 固定概念にとらわれない
「キッチンカウンターの上に置くのは、ふきんくらいですかね。タイマーもほら、いつも引き出しの中で鳴ってますけど、充分聞こえるでしょ?いろいろ外に出しておくと汚れて洗う手間が増えますしね。
調理器具が引き出しに入り切らないという方もいますが、限られたときにしか使わない道具って意外とほかのもので代用できるんですよ。本当に必要かどうかの基準は、毎日自分が使うかどうかで自ずと導き出せるはず。固定概念をとり払うと、意外とすぐに答えが見つかります」
3. 家族と協力しあえるように工夫する
「リノベーションをするとき、夫が皿洗いを担当することが分かっていたので、カウンターは夫の高さに設定しました。お皿を洗う際、前のめりになるのが嫌だったので蛇口のアームは長いものに。おかげで私も夫も、ストレスなく洗い物ができるようになりましたよ。
あと、カウンターテーブルがあることで家族が協力しやすくなっています。できた料理を置いたらほかの人が配膳してくれるし、買い物したものを広げると手分けして片付けてもらえるので、かなり役立ってますね」
4. 同じアイテムをそろえる
「モノ選びが苦手という方は、まずはサイズ違いのものから減らしてみてはいかがでしょう。ボウルや菜箸などは一般的に大中小とサイズ違いのものが販売されてますが、結局同じものしか使わないことが多くないですか?
私はよく使うサイズ、商品でそろえています。そうすると収納しやすいですし、悩まずに買い足せるので考え方がシンプルになりますよ」
家族で協力し合える仕組み作りや引田さん自身が楽しく家事するためのアイデアは、常に“どうすればより良くなるかに向き合う”ことで生まれるんですね。続いて、キッチン以外でのこだわり(ライフスタイル術)を3つをお聞きしました。
ラクをしながら気持ちよく暮らす3つのポイント
5. 生活にあった動線づくりをする
「リノベーションは、事前に家事の動線を考えて取り組みました。掃除がしやすいように床にモノを置かなくて良いように考えたり、ラクに掃除ができるよう玄関はあえて段差をなくしたり。それによって、家事にも余白が生まれるんですよね」
毎日の生活の中で必ず気になる家事動線。 “不都合があれば考えて改善する” 引田さんの基本マインドがあれば、どんな環境でも適切に変えていけると思わせてくれます。
6. ながら掃除で家事を減らす
「毎日欠かさず掃除するのは、玄関です。玄関は神社でいう鳥居のようなところ。お客様が一番初めに見る場所でもあるので、丁寧に拭き上げます。そのほかは、ながら掃除がメイン。洗顔のときに洗面台もついでに洗ったり、洗濯機に入れる前のふきんで気になる汚れを拭いたりしていますよ。
リビングは気になったら私がその都度掃除機をかけて、週末に夫が家中しっかり掃除機をかけるようにしています。普段からちょっとした掃除を積み重ねていれば、年末の大掃除は必要ありません。食器棚は、新しい食器が増えたタイミングとか不定期に拭き掃除をするくらい。掃除にもメリハリは大切ですよ」
7. 空間を整える
「掃除するということは、空間を整えるということ。そして空間を整えることこそ、ゆとりある暮らしにつながるんです。例えば、ハサミが使いたいときに片付いていないと探す時間がかかるでしょう。でも整っていれば、すぐに使える。生活のスピードが上がります。
自分自身も同じで、スケジュールが詰まっていたら受けたい仕事がきても受けられませんよね。空間を整えることで生まれるゆとりは、生活のすべてにつながっていると思います」