静岡県熱海市は温泉やビーチ、レトロな街並みで人気。そんな熱海市の小高い丘の上にある「MOA美術館」では、美しく価値の高い芸術作品はもちろんのこと、相模湾を見下ろす展望、時期によって咲き誇る花々など、四季の魅力が盛りだくさん。心が豊かになるひとときを過ごすことができます。
圧巻のフォトジェニック!時間をかけて館内散策
「瑞雲郷」と呼ばれる広大な敷地内に建てられた「MOA(エムオーエー)美術館」は、創立者である岡田茂吉氏が収集したコレクションを展示しています。美術館までのアクセスは、熱海駅から「MOA美術館行き」バスで7分。市内に滞在して、少し足を伸ばすのにぴったりの距離です。
バスの発着は美術館入口の目の前。自家用車の駐車場は3階にあります。
入口付近には、使用後にコインが返却されるコインロッカーも完備。大きな旅の荷物を持っていても安心ですね。
入口から入館したら、約200m続くエスカレーター通路を通って2階の展示エリアへ。40年の歴史をまるで感じさせない、近未来的なデザインです。
照明の色が緩やかに変化する様子を眺めつつ、ワクワクしながら上って行くと、「円形ホール」が見えてきました。入口からわずか数百メートルで、好奇心をグワッと鷲掴みにされるよう。
少しずつ天井が見えてくると、さらにワクワク感が加速します。
円形ホールの天井に投影されているのは、7つのプロジェクターを使っているという万華鏡。10〜20年に一度しか同じ柄を見ることはできないそう。一瞬一瞬を、目に焼き付けたい!
来場した皆さんも、足を止めて天井で繰り広げられる幻想的な景色に見入っている様子でした。
相模灘を見下ろすシチュエーションで、美しい芸術の数々に触れる
長い長いトンネルのようなエスカレーターを抜けたら、20世紀イギリスを代表する彫刻家「ヘンリー・ムーア」の「王と王妃」のブロンズ像がある広場へと出ます。
「王と王妃」が見つめる視線の先に、何が見えるのかというと…。
左手に房総半島・三浦半島、中央に初島、奥に伊豆大島までを見渡す、相模灘の絶景が広がっていました!
3月下旬からは桜の季節。海抜250mの展望台の前に立ち並ぶソメイヨシノが、相模灘をバックに咲き誇ります。また、広場の芝生は4月中旬ぐらいから青みを増し、静かで力強い冬の雰囲気とはガラッと変わった表情を見せるそう。
「海が素敵に見える美術館を作りたかった」という創立者・岡田茂吉氏の想いをしっかりと受け取ったあとは、2階の入口から館内へ。重厚な漆黒と深紅が印象的な漆の扉は、高さ4m。桃山時代に流行した「片身替(かたみがわり)」と呼ばれるデザインをイメージしているそうです。
メインロビーにも絶景が広がっています。大きな窓の前に置かれた、光学ガラスを用いたベンチは、現代美術作家・杉本博司さんが手がけたもの。
MOA美術館に展示される作品は、約1ヵ月半のペースで入れ替わります。ゆったりと景色を楽しんだあとに、各展示室を訪れてみてください。展示室奥にある能楽堂では、コンサートやイベントも定期的に開催されていますよ。
メインロビーから階段で1階に降りて、カフェやショップ、パティスリーや茶室に行ってみましょう。
抹茶に洋菓子、魅惑の甘味処の梅園も見どころ!
敷地内の竹林へ散策する通路を横目に、館内から「茶の庭」へ移動します。雰囲気がまた変わり、まるで小京都のような空気感に!