今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
光に通じる道のほうへ
今週のさそり座は、“内なる太陽”が本来ふさわしい自分の居場所を見つけていくような星回り。
いぜん読売新聞の「家庭とくらし欄」に、堀口智美さんという小学3年生の子どもの作品として、次のような『光の国』という詩が掲載されていました。
「スイミングのかえりに/あくびをしたら/なみだが出てしまいました
そうしたら/なみだで/車やしんごうの光がにじんで
光の国にいるみたいでした
光いがいは/何も見えませんでした
そこが自分だけしか見えない/せかいでした」
私たちは誰しもがこうした子どものような心を表現する衝動を、大人としての人格の背後に隠し持っていますが、こうした謎の直接的体験について言葉にできた稀有な作品に触れるとき、そうした衝動がまるで戯れのなかで発散され、解消されて、透明になっていくのを感じることができるはずです。
今週のあなたもまた、内なる太陽がいきいきとよみがえっていくのを感じることができるかもしれません。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
でっかくくくればお友達
今週のいて座は、頑なで排他的なリアリティを突破していこうとするような星回り。
『潜りゆく馬手貝(まてがい)すつと立つ』(えのもとゆみ)という句のごとし。浅瀬から水底へと潜っていく馬手貝の姿勢が、初めは斜めだったものが、すっと垂直になった瞬間が捉えられている訳ですが、なにかここには自然の奥深くに秘められた神々しい意志のようなものが感じられます。
作者の自然に対する深い敬意が、そうした瞬間を捉えることを可能にしたのでしょう。ここでは、すべての生命とのつながりの感覚を通じて、自身と類似性によって結びついた地上のそれとは別種の“家族”を見つけているのだとも言えます。
今週のあなたもまた、いつも以上に常識の枠をとっぱらって、友情や感情的な共感の輪を広げていくことができるはず。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
創造の海を泳ぐ
今週のやぎ座は、みずからの手で美しい夢を紡いでいこうとするような星回り。
泉鏡花の小説『龍潭譚(りゅうたんだん)』の中に、「あまりのうつくしさに恐ろしくなりて」という言葉があります。ある種の幻覚体験と言える訳ですが、これは伊藤若冲の日本画『雪中錦鶏図』で表されているものとも通底するものがあるように思います。
もしこの絵の空間に本当に入り込んでしまったなら、そこには何か身の毛のよだつような恐ろしいドラマが待っている気もする。ただ、目を離した次の瞬間には、雪に空いていた穴はふさがっていて、もう2度と見れないかも知れない。そんな風に感じさせる不思議さがこの絵にはあるのです。
今週のあなたもまた、ひとたび紡げば取返しのつかない形で自分に属することになるアイデアや考えをアウトプットしていくことになるかも知れません。