今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
天使的憂鬱のほうへ
今週のさそり座は、目の前の状況にすこし醒めて、客観的になっていくような星回り。
『わかりました。これから挫折してきます』というセリフのごとし。
世間は、自身の挫折体験を自慢する大人であふれている訳ですが、挫折しようと思ってもできるものでもありませんし、生乾きの自意識をアイデンティティにしてしまうと、「年相応になれ」なんて言いだして、人間としてしみったれてしまうように思います。
今週のあなたもまた、これまで無駄に近くに感じていたものがボーっと遠のいていくような、そんなきっかけを得ていきやすいでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
流されて、負けを重ねて見えてくるもの
今週のいて座は、流されつつある自分に気が付いていくような星回り。
『老(おい)たりないつかうしろへさす団扇(うちわ)』(小林一茶)という句のごとし。
どことなく、眼鏡を頭の方にあげたまま眼鏡を探しているような情景とも通じるところがありますが、団扇をうしろへ差したままそれを忘れて歩いていた、というのもある種のゆるみや油断のサインとして作者は受けとったのかも知れません。
今週のあなたもまた、まず大きな流れのただ中にある自分の現状を客観視してみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
わびと乱数
今週のやぎ座は、緊張を緩和し余裕をつくりだすための哲学を、あらためて定立していこうとするような星回り。
こぞって茶会を開いた戦国人のごとし。室町期の茶会というのは、茶を楽しむと同時に、政治やいくさのための緊張度の高い密談がなされていたようです。
現代もまた絶えざる他者との不毛な競争を強いられる社会であり、相手をだしぬいてでも利をとることが否応なく求められる時代。私たちもまた「わび」の哲学や、その実践としての“わび茶”の現代版を必要としているのだと言えるのではないでしょうか。
今週のあなたもまた、自分自身だけでなく周囲の人をなぐさめ、安らかにできるような文化やコンセプトを暮らしにインストールしていきたいところです。