今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
関わりの不思議を記憶していく
今週のかに座は、つねに立ち返るべき命の原型に親しんでいこうとするような星回り。
『朝顔の二葉(ふたば)より又はじまりし』(高浜虚子)という句のごとし。作者の脳裏には何年にもわたる年単位での朝顔の繁茂や、更には普遍的ないのちの継承への思いがあったのかも知れません。
「朝顔の二葉」とはすでに何度も何度も繰り返されてきた小さな命の積み重ねであり、遠い昔のかつて見た記憶の中の朝顔であると同時に、いつか見ることになるだろう遠い未来の朝顔の原像でもある訳です。
あなたもまた、つねに新鮮であり続けることを可能にしてくれる習慣を日常に取り入れていくべし。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
運命は絶えず変化していく
今週のしし座は、まったく相反する二つのものを自身の中に見出していこうとするような星回り。
ドラマの後半にはおぞましい存在として追放され、孤独な「アポリス(ポリスなき存在)」となり果てる「オイディプス王」。
本人に道徳的に落度はありませんが、不幸な運命を成就させたのは、最後の最後に自分で自分の目を潰したのは、他でもない本人の意志であり、そうであるがゆえに、その不幸を通して神聖さを付与され、彼の汚れは恐るべき宗教的な力の源泉となって、聖化された聖なる人物となっていくのです。
あなたも、「聖人」と「野獣」という二重性のあいだで揺れ動くオイディプスの運命を描き出した詩人のごとく、矛盾した性質の一致点をいかに自身の人生において見出していけるかがテーマとなっていくでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
虚心坦懐
今週のおとめ座は、自分の中の完璧主義を少しだけ崩してみようとするような星回り。
『水鉄砲水入れる間に撃たれつつ』(小川春休)という句のごとし。本来ならあっという間の瞬間的なできごとを、俳句的な言いまわしで時間を引き伸ばし、五七五のリズムのなかでコミカルな「間」を作り出しています。
おそらく、何度でも訪れてしまいたくなるお店だったり、なんとなく帰りたくなる家というのも、こちらがすすんで我が身をはさみ込みたくなるような余地や、ちょっとした間みたいなものが、ごく自然な仕方で空けられているものなのではないでしょうか。
あなたもまた、自身の生活やたたずまいにもまたそんな自然な間を空けるべく、なんとなくのんびりとしてみるといいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
道の先に跳ぶために
今週のてんびん座は、重たげな我が身を少しでも軽くしていこうとするような星回り。
芭蕉が一世一代の旅に出て、野に行き倒れて髑髏(どくろ)になっても構わないとうそぶいたとき、彼は41歳でした。
彼は51歳で亡くなっており、その意味で、41歳の芭蕉はまさに変容のとき、成熟のときを迎え始めた門出にあった訳ですが、そこで初めて見えてきたものについて、43歳の芭蕉は「つひに無能無芸にして、ただこの一筋につながる」という言い方で表しています。
あなたもまた、自分が極めていきたい道行きに改めて歩調を合わせていきたいところです。