武蔵野の自然豊かな調布市に位置する「深大寺」は、元三大師(がんざんだいし)の厄除けと、縁結びの御利益で知られる都内屈指の古刹です。今回は深大寺の境内を歩いて良縁を祈願、参拝後は山門前の参道にある、日本で最も有名なあの妖怪のショップへ立ち寄ってみました。
開創1300年を迎える歴史深い寺院
茅葺屋根の山門を通り本堂へ
本尊の宝冠阿弥陀如来(ほうかんあみだにょらい)を祭る本堂
調布駅からバスで約15分、「深大寺」は天平5年(733)に創建された関東を代表する古刹です。水神の「深沙大王(じんじゃだいおう)」を祭る寺院で、開祖である満功上人(まんぐうしょうにん)の両親が深沙大王に祈願して結ばれたことから、縁結びや良縁成就に御利益があると伝わります。まずは手水舎で洗い清めて本堂のご本尊に参拝します。
厄除けの由緒ある元三大師堂と国宝仏の釈迦堂
本堂の左側に立つ「元三大師堂」。秘仏「元三大師像」は坐像で2m近くもあり、僧侶の姿をした古像として日本最大の大きさ
「深大寺だるま市」は日本三大だるま市のひとつ
本堂への参拝後に秘仏「元三大師像」を安置する「元三大師堂」へ向かいます。秘仏とは一般公開されていない仏像のことで、ご開帳のときだけその姿を見ることができます。
元三大師は比叡山の高僧であり、鬼の姿となって人々を疫病から救ったことで江戸時代にはその姿をしたお札が魔除けとして大流行したようです。毎年3月3日・4日には厄除元三大師大祭と縁起だるま市が開かれ、多くの参詣者が訪れます。
釈迦如来像はガラス越しに見ることができる
境内の西側には7世紀後半〜8世紀初めに造られた「釈迦如来像(しゃかにょらいぞう)」を安置する「釈迦堂」があります。釈迦如来像は飛鳥時代後期の傑作と言われ、都内寺院唯一の国宝仏に指定されています(拝観時間9時30分〜16時)
古来のおみくじは「凶」が多い!?
おみくじ1回200円
参拝後は授与所でおみくじを引いてみます。おみくじの創始者は何を隠そう元三大師なんですよ。現代のおみくじは凶よりも吉が多く出るのが主流と言われていますが、元祖元三大師みくじは古来のままに、凶が多いようです。実際に引いてみると…凶が出ました。 “凶は吉に好転する力を秘めている”とのことでポジティブにとらえます!
縁結び開運御守500円
元三大師の降魔札(ごうまふだ)と利生札(りしょうふだ)ステッカー500円
授与所ではお守りも多数用意しています。写真上の縁結び開運守りは、良縁に恵まれることを祈祷した、深大寺で獲れた稲穂入りのお守り。もひとつは鬼の姿となって人々を疫病から救った、魔除けの効果があると伝わる元三大師の降魔札と利益を与える利生札のステッカー。玄関の外側に降魔札、玄関の内側や室内に利生札を貼るのが習わしなんだとか。
えんむすび絵馬1枚500円。“ご縁がありますように”と五角形、5色展開
良縁成就を願う絵馬はこちら。深大寺開創の深沙大王にゆかりのある亀の形をした絵馬で、胴体部分に願い事を書き、甲羅を合わせます。願い事や名前を誰かに見られるのは不安と思っていた人にも安心のプライバシーが守られた現代的な絵馬ですね。
■深大寺(じんだいじ)
住所:東京都調布市深大寺元町5-15-1
TEL:042-486-5511
参拝時間:9~17時(季節により変動あり)
定休日:無休
拝観料:境内自由
参道の必訪 SPOT「鬼太郎茶屋」
築60年余りの古民家を利用した「鬼太郎茶屋」。入口では鬼太郎とねずみ男がお出迎え!
深大寺の名物といえば「深大寺そば」が有名ですが、山門前の参道に立つ「鬼太郎茶屋」にも注目!大人気漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の生みの親、水木しげるさんの第2の故郷でもある調布・深大寺に2003年から続くキャラクターグッズやスイーツが楽しめる妖怪スポットです。