スラっと引き締まった美脚に、キュッと上がったヒップライン。そんな美しい下半身の要となるのが「骨盤」です。骨盤の歪みを整えることで、美容や女性特有の不調の改善などが期待でき、ヘルシーなスタイルが目指せます。今回は、骨盤矯正におすすめのヨガポーズ3選を、ヨガインストラクターの古城美季さんに伺いました。
骨盤の歪みの原因は? どんな影響がある?
からだの中心部にあり、上半身と下半身をつなぐ骨盤には重要な役割があります。たとえば、上半身を安定させて姿勢を保持する、脚の動きをサポートする、内臓や生殖器を守るなどです。
また、骨盤は背骨の土台であり、脚の付け根でもあるので、歩行や日常動作といった、からだの動きに深く関係しています。
そのため、日常の姿勢や動作、生活習慣などによって歪みが生じやすく、骨盤の歪みは上半身にも下半身にも、からだの内側にも影響を及ぼすのです。
骨盤が歪む要因
からだを支える要である骨盤は、以下のような要因で歪みを引き起こすとされています。
・長時間の悪い姿勢
・脚を組むクセ
・片足に重心をかけるクセ
・バッグをいつも左右同じ方で持つクセ
・高いヒールを履く習慣
・加齢や運動不足による筋力の低下
・妊娠・出産
このように、日常の動作や姿勢など、無意識の習慣が骨盤の歪みにつながるのです。
骨盤が歪んだままだとどうなる?
骨盤の歪みをそのまま放置すると、からだ全体の歪みにつながり、さまざまな不調を引き起こす原因となります。たとえば、以下のような不調の原因になるとされています。
・背骨の歪み
・猫背や反り腰、巻き肩などの悪い姿勢
・自律神経の乱れ
・血行不良
・リンパの滞り
・代謝の低下
・冷え、むくみ
・便秘
・肩こり、腰痛
・ホルモンバランスの乱れ
・生理痛やPMS(月経前症候群)
骨盤の歪みは日常の姿勢や動作のほか、血流やリンパなどの体内循環にも影響を及ぼし、さまざまな不調を招く原因になるのです。
骨盤の歪みをリセットするヨガポーズ3選
骨盤の歪みをリセットして整え、不調の改善や緩和に役立つヨガポーズを3つご紹介します。骨盤の状態には個人差があるので、ポーズは決して無理をして深めず、深い呼吸が気持ちよくできる状態でキープしましょう。
寝たままできる「4の字のポーズ」
お尻や太ももの外側の筋肉をストレッチしてほぐし、股関節を柔軟にするポーズです。腰のストレッチにもなるので、腰痛緩和の効果も期待できます。
ヨガのやり方
1. 仰向けになり、両ひざを立てます。
2. 右足首を左のももの上に乗せ、数字の4の字のようにします。
3. 脚を少し持ち上げて、両手で左のもも裏をつかみます。このとき、手をまわすのがつらい方は、フェイスタオルを細長くして両手で持ち、タオルをもも裏にあててください。
4. 息を吐きながら、ゆっくりと両手で左ももを手前に引き寄せ、右ひざを前方に押します。このとき、右のお尻が浮かないように気をつけましょう。
5. この動きを3~5呼吸くり返します。反対側も同様に。
血流やリンパの流れを促す「三日月のポーズ」
縮みがちな脚の付け根の前側をストレッチしながら、胸を開いて血行を促進するポーズです。インナーマッスルや腰回りの筋肉を活性化する効果も期待できます。
ヨガのやり方
1. 四つん這いの姿勢から、右足を手と手の間に入れます。
2. おなかに力を入れて、ゆっくりと上体を起こして骨盤を立てます。このとき、腰に手をあてて骨盤をサポートすると安定します。
3. 右ひざは直角に曲げて、しっかりとかかとの真上まで踏み込んだまま、左足を後ろに引き、足の甲を床に根付かせます。
4. 息を吸いながら両腕を頭上に持ち上げて胸を開き、息を吐きながら重心を下げて骨盤を床に近づけます。腰を反らないようにしっかりとおなかに力を入れて、胸を上に引き上げましょう。
5. この姿勢のまま5呼吸キープします。反対側も同様に。
骨盤の引き締めと内臓機能の調整に効くポーズ
骨盤の歪みを矯正して引き締め、ツイストによって背骨を整えて内臓を活性化する「半分の魚の王のポーズ」です。便秘解消やウエストの引き締めにも効果的です。
ヨガのやり方
1. 両足を伸ばして座った状態から、右ひざを曲げ、左足をまたいで右の足裏を左のお尻の近くに置きます。
2. 左ひざを曲げて、右のお尻の近くに引き寄せ足の甲を床に寝かせます。このとき、右のお尻を少し持ち上げるとスムーズです。
3. 左手で右のひざを抱え、右手はお尻の後ろについて、息を吸いながら、指の腹で床を押して背筋を伸ばします。
4. 息を吐きながら、上半身を右側にねじります。おなかから胸、肩、首の順番で下からていねいにツイストを深めましょう。
5. この姿勢のまま、3~5呼吸キープします。反対側も同様に。