東京・六本木にある「国立新美術館」。日本最大級の展示スペースを誇り、コレクションをもたない美術館です。多彩な企画展と公募展が随時行われ、だれでも気軽にアートにふれられる美術館となっています。また建築家の黒川紀章氏が手がけた美しい建築もこの美術館のみどころです。さらに館内にはティーサロン、正統派フレンチを味わえるブラッスリー、ショップも充実。その魅力をご紹介します!
日本最大級の展示スペースを誇る国立新美術館ってどんな美術館?
©国立新美術館
国立新美術館は乃木坂駅直結、六本木駅徒歩5分の美術館。2007年に国内5番目の国立美術館として誕生しました。その大きな特徴はコレクションをもたないこと。国内最大級の1万4000㎡の展示スペースを備え、さまざまな展覧会を随時開催しています。
展覧会はあるテーマに沿って一定期間作品を展示する企画展と、美術団体が主催し、入選作品を展示する公募展の2つに分かれます。国立新美術館には12の展示室があり、多彩な展示を企画しているので、ぜひ公式サイトなどからチェックしてみてください!
一流建築家・黒川紀章氏が設計!建築物としてのみどころ
©国立新美術館
国立新美術館に到着するとまず目を引くのは、そのアーティスティックな外観。「森の中の美術館」を建築のコンセプトに設計された建物の南側は、波のようにうねるガラスカーテンウォールが美しい曲線を描き、円錐形の正面入口とともに個性を放っています。国立新美術館は2007年に亡くなった黒川紀章氏がすべての設計を担当。多くの美術館を設計してきた黒川氏が手がけた最後の美術館になります。
©国立新美術館
訪れる人が展示作品を見るのと同じくらい楽しみにしているのが、美術館の洗練された空間の中で時間を過ごすこと。館内の至る所に置かれたイスはカール・ハンセンやフリッツ・ハンセンといった有名デザイナーのものばかり。なかなか座る機会のないデザイナーズチェアに座ることができます。全面ガラス張りなので光がさんさんと差し込むのも魅力。
館内への入場は無料なので、だれでも静かで美しい空間のなかで癒やしの時間を過ごせます。
上質な空間でカフェタイム!ティーサロン「サロン・ド・テ ロンド」
国立新美術館は館内のカフェやレストランも充実しています。2階にあるのはティーサロン「サロン・ド・テ ロンド」。巨大な逆円錐型の上部に広がるこちらのお店でいただけるのは、上質な紅茶やスイーツ、サンドイッチなどの軽食。
最近発売されて人気を集めているのがクリームソーダ。こちらは「マンゴー」990円。甘さ控えめのさっぱりとした味わいで、バニラの風味豊かなアイスとベストマッチです。
クリームソーダというと、はっきりとした色合いのものが多いですが、こちらのクリームソーダは着色料不使用のフルーツピューレを使っており、ちょっとくすんだ大人色のクリームソーダ。ほかには、レモンヨーグルトやグリーンアップルなど5色展開で販売しています。
「サロン・ド・テ ロンド」の定番メニューは、ケーキにコーヒーもしくは紅茶のドリンクが一杯付いた「ケーキセット」1540円。ケーキは常時6種類ほどが用意されており、今回ご紹介するのは「木苺のムース フランボワーズのクーリー」とコーヒーのセットです。木イチゴの酸味とさわやかな甘みが印象的なひと品。
また、「サロン・ド・テ ロンド」では企画展とのコラボメニューもたびたび登場するのでぜひチェックを。美術館の展示を見た後はもちろん、「サロン・ド・テ ロンド」のみの利用も可能ですので、ぜひ訪れてみてくださいね!
■サロン・ド・テ ロンド(さろん ど て ろんど)
住所: 東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館2F
TEL: 03-5770-8162
営業時間:11時~17時30分LO
定休日: 火曜(祝日の場合は翌日)
■参考記事:国立新美術館内のカフェ「サロン・ド・テ ロンド」でクリームソーダやケーキとともに上質な時間を!(配信日:2022.08.24)
王道のフレンチを手軽に味わえるレストラン「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」
3階にあるレストランが「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」です。フランス料理界の法王とよばれ、現代のフランス料理の礎を作ったといっても過言ではない、ポール・ボキューズ氏。フランス・リヨン郊外にある本店は、世界的グルメガイドの三ツ星を50年以上も取り続けた名店です。そんな名店の名を冠した日本第一号店が、国立新美術館のなかにあります。ポール・ボキューズ氏のフランス料理を手軽に楽しめるブラッスリーで、正統派フレンチを味わうことができます。
ランチで味わえるのは、前菜、メインディッシュ、デザート、飲み物がついた「ランチコース」4400円。こちらは、メインディッシュの「豚肩ロース肉のコンフィ スパイスの香る赤ワインソース トウモロコシのピューレ」。驚くほど軟らかで、肉のうまみが凝縮された豚肩ロース肉に赤ワインのソースがマッチ。
デザートに出てきたのが「クレーム・ブリュレ」。ポール・ボキューズ氏がスペインにもともとあったスイーツを現在の形へと発展させたものです。クリーミーなカスタードとぱりっと香ばしいカラメルがたまりません。なぜこのような平たいお皿に入っているかというと、表面のぱりっと感をたくさん楽しんでもらうためで、これが元祖の形。食後のコーヒーと一緒に食べると、また格別のおいしさです!
ポール・ボキューズ氏の料理への思いがしっかりと感じられるような、ブラッスリー。ぜひ一度味わってみてくださいね!
■ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ
(ぶらっすりー ぽーる ぼきゅーず みゅぜ)
住所:東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館3F
TEL:03-5770-8161
営業時間:11~16時LO、16時~19時30分LO※16時以降は予約可
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)
■参考記事:国立新美術館の美しい建物で王道のフレンチを手軽に味わう!レストラン「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」へ(配信日:2022.08.26)
ミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」でおみやげ探し
館内を堪能したら、1階と地下1階のミュージアムショップ「スーベニアフロムトーキョー」へ。漫画からアートブック、工芸品、若手デザイナーの作品まで、知名度やジャンルにとらわれることなく、デザインやアートを届けるショップです。
世界中からさまざまな人やモノが集まる東京は、古いものと新しいもの、スターデザイナーと無名アーティスト、エレガントなものとジャンクなものなど、あらゆるものがひとつの街のなかで渾然一体となっています。圧倒的な編集能力でそれらを新しい驚きに形作るその手法こそ現代の東京独自のスタイルととらえ、このショップでも「東京視点」でさまざまなものをセレクトしているそうです。バラエティー豊かな品揃えを見ているだけでもわくわくしますね!
国立新美術館では、どっぷりとアートにつかる体験が待っています。ぜひ足を運んでみてくださいね!
Text:上野郁美(エフェクト)
Photo:国立新美術館、サロン・ド・テ ロンド、ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ、上野郁美(エフェクト)