今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
文脈の“外部”への感受性
今週のかに座は、問いと答えの関係をこじらせていこうとするような星回り。
人間心理についての鋭い洞察で知られるラ・ロシュフーコーは、その怜悧な知性によって数々の偽善や自己欺瞞を暴き出してみせましたが、中にはそうした冷たいトーンとは一線を画する一言を垣間見ることがあります。
「純粋で、ほかの情念がまったく混じらない愛があるとすれば、それは心の底に隠されていて、われわれ自身も知らない愛である。」
彼の読者との関係の作り方には、今週のあなたを啓発するのに十分な愛が確かにあることが分かるはずです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
例えば猫のまなざしを
今週のしし座は、目に見えない以心伝心のはずみがついていくような星回り。
『冬籠(ふゆごもり)君の寝言を彼は解す』(藤田哲史)という句のごとし。
「君」と「彼」を第三者の視点から眺めている作中の「私」とは、なんとなく具体的な生きた人物というより、高いところから2人を見守ってくれている存在や、まだ生まれていない2人の子どものような気もしてきます。
あなたもまた、思いがけぬ存在や、決して知りえない存在に見守られているのだというつもりで過ごしてみるといいでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
いかに他人に属すか
今週のおとめ座は、偽の人生をそれはそれとして認めつつも、突き放していこうとするような星回り。
生きるということは、多かれ少なかれ他人に属し、彼らと何かを共有するということに他ならず、一般的にはその共有する度合いが大きければ大きいほど、しあわせであるとされているように思います。
しかし、ペソアはそれを「偽の人生」であり「棺桶のなかで終わる」生に過ぎないと喝破している。死んだあとでも他の人のこころの中に生きることがあるのは、その人が「子どものころ夢みていたもの」や「霧のなかでみつづけているもの」を追っていたからなのだ、と。
あなたもまた、自分が実現しようとしているのが「2つの人生」のうちのどちらかなのかを、改めて明確にしていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
深くて静かな場所へ
今週のてんびん座は、慌ただしく流れゆく直線時間から一寸だけでも、垂直に脱け出していくような星回り。
『寒夜(さむよ)読むや灯(ともしび)潮(うしお)の如く鳴る』(飯田蛇笏)という句のごとし。
冬の夜、あかりの下で読書していると、灯(ともしび)が音を発して鳴いている。それが、やがて海の「潮(うしお)」のごとく強大な音に聞こえたというのです。もちろん、実際に鳴り響いている物理的な音というより、作者だけに聞こえている、ある種の宇宙的な音声とも言えるものでしょう。
あなたもまた、そんな「鳴饗する魂」のひとつとなるべく、おのれを研ぎ澄まし、周囲から余計な雑音を消していきたいところです。