今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
うつし世が夢ならば
今週のさそり座は、現実の輪郭が次第にあやふやになっていくような星回り。
光や音が遮られた空間で、一定の温度に保たれた高濃度のエプソムソルトの塩水に浮かぶことで、皮膚感覚や重力の感覚を大きく制限できる“アイソレーション・タンク”。
ジャーナリストの立花隆は、みずからタンクに入った結果、肉体が消失して意識の点になったかのような体験をしたと述べています。タンクのような一定の条件で外的な刺激を遮断していくと、どこまでが現実でどこからが夢なのか、きっちりと自覚できなくなっていくのではないでしょうか。
あなたもまた、これまで強固に保持していた夢と現実の線引きがどこか曖昧になって溶け出していくのを感じることができるかも知れません。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
縁が人をつくる
今週のいて座は、誰かに引き出されたものに後押しされていくような星回り。
『我等パンツならべ干すなり冬銀河』(小川軽舟)という句のごとし。
句自体もそれが作られた過程も、どこか若い。けれど、俳句が座の文学であることを身に沁みこませてくれるのは、上手に整えられすぎた場よりも、案外こうした荒削りで勢いのある場であったりするのではないでしょうか。
あなたもまた、気楽に遊べる仲間との交わりのなかで未来を見出していくことができるはず。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生命的であるということ
今週のやぎ座は、物理法則を先回り的に捉えて、分解と再構築に励んでいこうとするような星回り。
分子生物学者の福岡伸一は、「生命は絶え間ない分子と原子の流れの中に、危ういバランスとしてある(=動的平衡)」としていますが、この流れを作り出すためには「作る以上に壊すことが必要」で、「それゆえ細胞は一心不乱に物質を分解している」のだと指摘しています。
食べることは不動のAという個体にエネルギーを与えるばかりでなく、むしろAが非Aへと変化しながらAであることを保つことに他ならない。そしてそれは、ともすれば非AになることでAでなくなってしまう可能性をつねに孕んでいるという意味で、思っている以上に非常に危険な行為なのだと言えます。
あなたもまた、うまく未来を捉えつつ、現在において分解と再構築のリズムの流れに乗っていくべし。