SNSなどでエネルギッシュな人たちの姿勢に影響されることはありませんか?
そうですね……もし私が大学生くらいで、SNSでみんなが楽しんでいる様子をリアルタイムで実感したら「私ももっと行きたい!」とそわそわした気持ちになったかもしれないですね。今は“後方彼氏面”じゃないですけど(笑)、落ち着いて楽しめています。
思い返すと10年前は私も「全通する!」と意気込む側でした。大学生の頃はバイト代を全額つぎ込んで通うこともありました。大学の時は今よりももっと劇場が遠い山口県に住んでいて、「東京」か「大阪」の二択で交通費をひいひい言いながら捻出して、夜行バスで帰ってきてそのまま大学に行く……なんてことをやってましたね。会社員になってからも、若い頃はそのまま出社することもありました。
エネルギッシュに活動することを「楽しい」と感じられているならいいですが、もしも「しんどい」と感じているなら辛いなと思います。観劇はあくまでも趣味ですし、自分がどれだけ身を削って通っても、公演側にとってはチケットは純粋に一枚でしかないのです。
楽しみとしんどさの天秤がつりあっているならいいですけど、しんどいが大きいようだったらバランスを取れるように見直してみるといいですよね。仕事じゃないのに「しんどい」が5割を超えたら趣味の意味がなくなっちゃうなと。
私もやるだけやって今があり、当時よりも倍以上年を重ねて、一歩引いた視点で考えられるようになりました。昔はハチャメチャにお金を使っていたからこその学びになってます。
「やってしまった」と後悔した推し活出費があれば教えてください
出演者や原作などで「きっと面白いだろう」と期待して十数回分のチケットを取った舞台が全く面白くなかったときは「失敗した……」と後悔しました。
自分以外の人もそう感じたようで、チケットを譲渡に出したのですがなかなか買い手がつかず……。ただ、「空席は作りたくない」という強い思いがあるので、面白くないと思いながらも残りの公演に通い続けました。
失敗はその後の推し活に影響しましたか?
大量にチケットを買う際にはそのときの後悔が頭をよぎるようになりました。ただ、それにより購入枚数を減らそうということにはならなかったです。人気の舞台はチケットが発売日に売り切れてしまうので、後から買い足すことができない分、常に買えるだけ買っておこうと考えてしまうのです。映画と違って封切後の評判で見に行ったり、見る回数を容易に増やすことができないのが難しいところです。
推しが出演していると「見たい」と思う気持ちは膨れますが、それ以外のマイナス要素が大きいとチケットを買うところまでは到達しないです。逆に推しキャストさんがいなくても、演出や脚本が自分の好きな人だったら観に行ったりもします。俳優さんのことはもちろん応援していますが、「観劇」そのものが推し活の中心ですね。
「カットしてもいいかも」と感じている出費があれば教えてください
DVDの購入ですね。配信チケットとDVDの両方を購入することが多いのですが、DVDだと場所もとるので配信だけでもいいかなと思うことがあります。ただDVDのみの特典映像などがあることもあるので悩ましいです。
たくさん通った舞台でも円盤を買わないことはよくあります。買えばそこそこ見直すんですが、やっぱり「そこそこ」なんですよね。私は「劇場に観に行く」というのがもっとも優先順位が高いです。
今後の推し活で「できればここまでお金をかけてみたい」と思っていることがあれば教えてください
コロナ禍が落ち着いたら、交通費と宿泊費をかけて、遠征がてら観光も楽しんでみたいです。でも仮に臨時収入があったとしても、ひとまずは貯金に回します(笑)。推し活歴的な落ち着きもあって、何が何でも推し活に投資!とはならないですね。
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