「副腎疲労」という言葉を最近耳にするようになりました。いったいどんな疲労?どうすれば解消できる?そもそも副腎ってどんな臓器?「なんとなくだるい、調子が悪い」を東洋医学とヨガの視点から解決します。
内分泌系を整える切り札はリラックス&ツボ・経絡
「副腎疲労」とはどういうものでしょう。中島佐知子先生いわく「病名ではありません。ストレスによって副腎の機能低下が起こり、さまざまな症状を及ぼす状態を表す言葉。症状は、頭痛、肩こり、めまい、婦人科系の不調、全身倦怠感、むくみなどさまざまです」
なんと、日常的に経験する体の不調ばかり。その理由として、副腎がさまざまな体の機能に関わっていることが挙げられます。
副腎は、体の恒常性を保つための臓器。恒常性とは、人が生きていくのにちょうどいい状態に体を保つこと。たとえば、血糖や血圧のコントロール、抗ストレス、抗炎症に働くホルモンの分泌など。そのため、心身に負担がかかる環境、ストレス過多な生活は、副腎を疲弊させてしまうのです。
副腎疲労を緩和するには、何より「リラックス」と中島先生。そういう意味でも、ヨガのくつろぎのポーズはとても有効です。また、副腎は内分泌系なので東洋医学からのアプローチもおすすめ。副腎に関わる経絡・ツボを刺激するヨガポーズを取り入れて、不調の改善を目指しましょう。
膀胱経を刺激して「水」の滞りを解消
背中を丸めた前屈で体の背面を通る膀胱の経絡を刺激します。座位で行うことで、リラックスした状態でポーズを長く保つことができます。頭頂から足の裏側までを気持ちよく伸ばしましょう。
こんな不調に
☑ 風邪をひきやすい
☑ 全身倦怠感
☑ むくみ
☑ 下半身のだるさ
背中を丸めた長座前屈
HOW TO
長座になり、両足のつま先を天に向ける。両手は頭の後ろ。息を吸って背すじを伸ばす。
photo by Shoko Matsuhashi
息を吐きながら背中を丸めて前屈。手の重さで首の後ろが自然に伸ばされる。お腹をのぞきこんだまま呼吸して保つ。膝は曲げてもOK。(3~5呼吸)
3~5呼吸
photo by Shoko Matsuhashi
これも効く!ダウンドッグ
膀胱経を刺激する代表的なポーズ。体の背面が十分伸びるように、かかとはできるだけ床へ。
HOW TO
四つん這いから両手で床を押し、お尻を後ろへ。背中、お尻、足裏まで伸ばす。(3~5呼吸)
3~5呼吸
photo by Shoko Matsuhashi
教えてくれたのは…中島佐知子先生
消化器内科専門医。国立大学大学院博士号を取得。ヨガインストラクター資格を取得後、病院に勤務する傍ら、西洋医学と東洋医学を融合した腸活講座やヨガレッスンを行う「内臓美力®アカデミー」代表としても活動中。
モデル…宮澤成良さん
モデル、ヨガインストラクター。乃木坂46のオープニングメンバーとして活動後、RYT200の資格を取得。モデルをはじめヨガインストラクターとしてヨガイベントなどでも活躍中。