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「愛がこんがらがって虐待になるのを止めたい」 福田萌さんが5年間の活動で感じたこと

子育て

東京都目黒区で2018年、5歳だった女の子が両親から虐待されて亡くなった事件を受け、悲劇を二度と繰り返さないようにと発足した「#こどものいのちはこどものもの」。児童虐待を防ぐために活動するタレントたちのチームです。児童養護施設の取材や、厚生労働省や自治体のトップとの意見交換などの活動を続けてまもなく5年になります。2023年4月のこども基本法の施行を前に、発足当初から活動している福田萌さんに話を聞きました。

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「#こどものいのちはこどものもの」の発足メンバー。左から眞鍋かをりさん、福田萌さん、犬山紙子さん、ファンタジスタさくらださん、坂本美雨さん。のちに草野絵美さんも参加
提供写真

ーー2018年6月、犬山紙子さん、坂本美雨さん、ファンタジスタさくらださん、福田萌さん、眞鍋かをりさんが、ハッシュタグを使って発信を呼びかけたことから活動が始まりました。その後、草野絵美さんも加わり、クラウドファンディングなどを通して社会的養護の現場を変える活動に広がっています。萌さんは当初なぜ参加を決めたのでしょう。

きっかけは、いぬぬ(犬山紙子さん)がTwitterで、子どもの命を救うために賛同を呼びかけたことでした。

⭐️お願いです⭐️
虐待を受けている子供は今もいて、その子供たちの命と心を考えたら猶予なんてない。#児童虐待問題に取り組まない議員を私は支持しません

#児童虐待問題に取り組まない議員を私は支持しません

賛同される方是非このハッシュタグを使ってつぶやいてくださいませんか。
何千、何万となって無視できない状況に持っていきたいです

それまで、タレントが社会問題やニュースについて発言することはタブーだという雰囲気がありました。私も周りから「政治的な発言は極力避けたほうがよい」と言われていて、そうだと思い込んで控えていた面がありました。

でも、私自身2013年に母親になり、都会で子育てをする孤独さやワンオペ育児を経験したので、児童虐待のニュースは他人事ではありませんでした。

子どもを連れて歩いていると、二言目には「すみません」「ごめんなさい」と謝っている自分がいて、その肩身の狭さなどいろいろな思いがこみ上げてきて、ひとりの母としていぬぬの思いに共感し、リツイートしました。

すると、いぬぬから「萌ちゃん、一緒に何かやろう」と直接、連絡があったんです。そうやって集まったのが、最初の5人でした。

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福田萌さん
Akiko Kobayashi / OTEMOTO

ーーみなさん当時は未就学のお子さんがいて仕事と育児の両立で多忙な中、児童養護施設や自立援助ホームに話を聞きに行ったり、自治体や企業のトップ、NPOの方と意見交換したりと、地道な活動をはじめました。萌さんは2021年3月にシンガポールに移住してからもオンラインで活動をしていますが、なぜ5年近くも継続できているのでしょうか。

2018年にみんなで最初に集まったときに、学生時代からさまざまな社会活動に関わってきた深澤真紀さん(獨協大学特任教授)に会いに行ったんです。

社会活動をするとはどういうことなのか、じっくり時間をかけて教えてくださいました。

「5人もいたらまず仲間割れするし、長くは続かない。社会を変えてやろうと意気込んでもすぐに変わるわけではないから、とにかく継続していくために無理をしないことが大事」

こう強くアドバイスしていただいたことで、活動スタンスのベースができあがりました。仕事と家族を優先し、できるときにやれることをやるというスタンスです。

深澤さんは「#こどものいのちはこどものもの」という活動の名前もつけてくださいました。

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