今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
苦しみの昇華
今週のさそり座は、まとった神秘の中にすすんで包まれていこうとするような星回り。
『マダムX美しく病む春の風邪』(髙柳重信)という句のごとし。
「マダムX」とは、行きつけの酒場の女主人のこと。「マダム」という言葉には呼ぶ側にどこか相手の奥に潜む素性を想像させる引力のような働きをするところがあって、しかし客としての分を超えることはできず、ただ胸のうちで「X」と付け足してみせたのかも知れません。
あなたもまた、春の宵を過ごすのにふさわしい役柄に徹してみるといいでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
受身を学ぶ
今週のいて座は、遊び心を弾ませていく中で、運の生き死にを捉える感覚を磨いていこうとするような星回り。
入院などして急に筋肉を使わなくなると、短期間でどんどん落ちて、しまいには歩けなくなるほどに弱ってしまうように、心というのも油断して放っておくと、一気に萎んだり枯渇してしまうもの。例えば、紀元前6世紀の孔子の言行を死後約400年をかけて編纂した『論語』のなかでも、心の使い方についてふれています。
「子曰わく、飽くまで食らいて日を終え、心を用うる所なし。難いかな。博奕なる者あらずや。これを為すは猶お已むに賢(まさ)れり。」
あなたもまた、生活や人付き合いをひとつの「博奕」と考えて、自分なりの打ち筋を追求してみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
あそびと原点
今週のやぎ座は、自分なりの原風景を描き出していこうとするような星回り。
『山又山山桜又山桜』(阿波野青畝)という句のごとし。掲句は言葉の響きと、文字の視覚情報の相乗効果によって、日本人なら誰もが抱いている理想の原風景を幻視体験させてくれる、AR/VRの先駆け的な作品のひとつなのだとも言えるだろう。
こうした単なる「景色の説明」を超えた働きを読み手の心にもたらすことができるがゆえに、俳句や和歌はひとつの芸術たりえるのだと思います。
あなたもまた、心がおのずから蠢き出すような配置にみずからを置いていきたいところです。