どら焼きと言えば、こんがり焼かれたまぁるい生地にあんこを挟み込んだアレがテッパンですが、今時のどら焼きは、こしあん&つぶあんに収まらず、抹茶あんや白あん、桜あんや栗、バターやクリーム、餅やフルーツなどなど、さまざまなものとコラボ。常に大成功をおさめ、新たな魅力を感じさせてくれます。
そして私は新たな魅力を感じさせてくれるどら焼きが大好き!
なので、珍しいどら焼きを見ると食べずにいられないのですが、今回ご紹介する青果堂さんのどら焼きは、数あるどら焼きの中でも調和に感動した逸品。軽い気持ちで食べたら、その美味しさに、どびっくりしたどら焼きです。
芸術品だとすら思う唯一無二のハーモニー
青果堂さんのどら焼きは、ご覧の通り、ゴロっと横たわるフルーツがチャームポイント。でも、このどら焼きのすごさは見た目だけにあらず。フルーツの風味やジューシーさ、生地の食感や厚さ、あんの甘さやクリームの濃厚さに至るまですべてが計算された美味しさなのです。
まず、大切りカットのフルーツは、創業90年を超える果物問屋「島田青果」さんからの仕入れ。糖度や酸味、果肉感、濃厚さのバランスから旬を見極め、その時々で一番美味しい産地・銘柄を厳選。
さらにフルーツは、季節によって変更はあるものの、いずれも国産&高級フルーツと名高い品種を使用。一般にはあまり流通していない希少なフルーツを惜しみなく使ってくれるので、どれが届いても大当たり!
それだけでも贅沢なのに、生地にもあんにもクリームにもこだわりがあり、餅粉や白玉粉が配合された生地は一般的などら焼きよりも、もちもち感が強くしっとり。でも、生地が薄いのでしつこさはなく、まるで和風のミルクレープのよう。
そんな生地に潜むあんは、オーガニック農法で作られた有機JAS認定のオーガニック餡。控え目ながらも品のよい甘さを持ち、素材の味が光ります。
さらにクリームは、10種類以上のクリームベースを調整しながら作られた北海道産生クリームに沖縄県産焚黒糖を合わせたもの。ミルキーでコクがあるのにしつこさがなく、丼一杯食べたい美味しさ。
なにをとってもメインになる美味しいのに、決して主張しすぎず、お互いがお互いを引き立てるような美味しさ。そしてそのバランスが本当に絶妙で、すべてが重なりあった時に生み出されるハーモニーは唯一無二。この美味しさは芸術品だとすら思うのです。
フルーツは季節によって変わりますが、私が注文した時は冬季のラインナップ。いちご、りんご、キウイ、柑橘の4種でした。
■いちご
4種の中で最もフルーツの美味しさが際立っていたいちご。作られてから1日は経っているはずなのに、あんには脱水作用があるはずなのに、びっくりするほどみずみずしく、噛むたびに溢れる甘さとジューシーさはノックアウトレベル。
いちご入りのどら焼きに使われているのは、生地、つぶあん、クリーム、いちご。4種の中で唯一、つぶあんが使われ、つぶあんは控え目な甘さながらも小豆本来の味が味わえる本格派。いちごは、やよいひめ、スカイベリー、あまりん、まりひめ、きらぴ香などから厳選しているそう。
■りんご
実はりんごは、他のフルーツに比べるとやや華やかさに欠けることもあり、我が家では一番不人気だったのですが、今や最高の人気を誇るスーパースター。というのも、りんごが驚くほどシャッキシャキ&その食感が心地よく、食べれば食べるほどクセになる!地味とか思ってごめんなさい。私はりんごが一番好きです。
りんご入りのどら焼きに使われているのは、生地、白あん、クリーム、りんご。白あんは控えめな甘さと優しい味わいでとっても滑らか。りんごは、太陽ふじ、炎舞、紅将軍、大紅栄、こみつなどから厳選しているそう。
■キウイ
4種の中で最も絶妙な調和を感じられるキウイ。キウイ自体がとっても爽やかなので、クリームや生地、あんと喧嘩するかと思いきや、いえ、全然。絶妙なバランスで調和し、素晴らしい相乗効果をみせてくれます。
キウイ入りのどら焼きに使われているのは、生地、白あん、クリーム、キウイ。キウイは、レインボーレッド、香緑、甘うぃ、ヘイワードなどから厳選しているそう。