2023年3月にオープンした「cafe cirque(カフェシルク)」は、ヨーロッパのアンティークを生かしたおしゃれなカフェです。カウンター奥のオープンキッチンで、ひとつひとつ手作りされたタルトは、フルーツを中心に素材の組み合わせが光るオリジナル。フランスのクリスティーヌダットナーの香り高い紅茶とともに、パリのカフェにいるような特別な気分で過ごせます。
ヨーロッパのアンティーク家具のぬくもりを感じながら
今出川通りに面したビルの1階なのに、うっかり見過ごしてしまいそうな、少し奥まったところが入り口です。数段階段を上がると、ヨーロッパの古い時代のものをリメイクしたドア。レトロで素朴な存在感に、すぐに心をつかまれてしまいました。
店内は、まるでパリのカフェに来たようなおしゃれな雰囲気です。アンティーク家具の輸入を手掛ける店主が、フランスを中心に買い付けたテーブルや椅子は、新しいものでも80年、多くは100年以上前のものだそう。カウンターや什器も古材ならではのぬくもりが感じられます。
白い壁は漆喰(しっくい)を厚く塗り、あえて表面を平らにせずコテ跡を強調して素朴な雰囲気に。壁の腰板も古いもののリメイクで、新品では出せないやさしい風合いが素敵です。
オーナーが定期的にヨーロッパに買い付けに行くため、インテリアを少しずつ入れ替えることもあるそうで、それも楽しみですよね。どこを切り取っても絵になるので、カメラ女子にとってはとっても魅力的です。
9種類のタルトはすべて生地を変えたハンドメイド
ショーケースには常時9種類のタルトが並んでいます。ホールで作ってカットするのではなく、直径7cmのタルト台それぞれにクリームやフルーツをのせています。どれもおいしそうで選ぶのに迷ってしまいますが、「選ぶ過程も楽しんで、ゆっくり選んでください」とお店の方。
タルト台は種類ごとに生地が違い、中のダマンドもそれぞれ違うので、どんな味か想像するのも楽しいですね。すべて店内で手作りされているため、オープンキッチンから甘い香りが漂って思わず笑顔になります。
まずお皿を選んでからタルトをオーダー
イートインの際に、まず選ぶのはタルトをのせるお皿。一枚ずつ集めたアンティークのお皿は、色・柄ともに、現代のものとは違う落ち着きとかわいらしさがあります。なかには金継ぎで修繕しているものもあり、大切に使われてきた歴史が伝わってきます。カトラリーは、ポルトガルを代表するブランド「クチポール」のブロンズ色で、アンティークのお皿によく合っています。
奥から反時計回りに「イチゴタルト」850円(835円)、「レモンタルト」680円(666円)、「ブルーベリーレアチーズタルト」680円(668円) ※表記はすべてイートイン価格、( )はテイクアウト価格
「cafe_cirque」のタルトはあっさりしているので、1人で3個食べる人もいるそうです。「イチゴタルト」は、フレッシュイチゴにカスタードクリームとホイップクリームでやさしい甘さに。「レモンタルト」は、ホワイトチョコのガナッシュにレモン果汁たっぷりのムースが入っています。
「ブルーベリーレアチーズタルト」は、全粒粉が入ったタルト台のザクッとした食感、レアチーズとブルーベリーのさっぱりした風味、両方が混ざりあったさわやかな味です。
「りんごとサツマイモのタルト」720円(テイクアウト707円)
「りんごとサツマイモのタルト」は、クッキー生地の中にカットしたサツマイモ、ソフトなアーモンドの甘みが特徴的なダマンド。軽めのディプロマットクリーム、りんごのキャラメリゼもあっさりと。サツマイモの自然な甘さとりんごの酸味が好相性です。イートインの際には、一人ワンドリンクのオーダーを。
クリスティーヌダットナーの紅茶とともに
カップ&ソーサーとティーポットは、フランスで200年以上の歴史をもつブランド「PILLIVUYT(ピリヴィッツ)」。ほのかに青みがかった白色が美しい磁器です。紅茶はフランスの「クリスティーヌダットナー」です。
「クリスティーヌダットナー」は、ダージリンやアールグレイだけでなく、「ルイボスピーチバニラ」、「ジャスミングリーティー」、「ルージュブラジル」など、種類も豊富で、ここでもまた選ぶのに悩みそう。決めきれなかったらお店の人にアドバイスをもらいましょう。
「サンローランの岸」は、貴重な白茶にクランベリーやバラを加えた香り高い紅茶で、どのタルトにも合います。チョコのような甘みが強いタルトに合う「ルージュブラジル」、さっぱり系タルトに合う「ウーロンミルキーチャイナ」など、アドバイスももらえますが、好みで選ぶのが一番。2度3度と来るうちに自分のベストが決まってくるかも。リーフ缶、ティーバッグも買えるので、紅茶好きの友達へのプレゼントにも喜ばれます。