カヨコ、次の恋愛に足踏み
「次の恋愛」に進む必要性を自分で問い直す!©安野モヨコ/Cork
不倫相手に片思いするタカハシに呆れ、孤独でいることを選ぶカヨコ。その後、過去の男や新たな男たちとも出会い怒涛の日々が始まる。離婚するからには、次の恋愛に行くべきか否か?そんなときに飛び出すこのセリフ。
「ハッピー・マニア」のシゲタカヨコでは考えられないこの言葉。カヨコが言うことに意味がある…。
「タカハシとのぬるま湯のような結婚生活で人が変わってしまったかと思いきや、再びままならない人生に翻弄されるカヨコ。基本的には何も変わっていないなあと安心感すら覚えました(笑)。何も考えずに中年期まできてしまったことを悔い、まずは自分の足で立つんだと決心するあたり、40代になったカヨコの底力を見る思いです。ここから、四十路カヨコの新たなスタート!でも、長らく恋愛から遠ざかっていると、最初の一歩がなかなか踏み出せない…ということもありますね。リハビリも必要なんですよね、40代の恋愛には」
主導権は自分にあり!
フクちゃんの格言
変わらず頼りになるフクちゃん©安野モヨコ/Cork
割り切ったアドバイスでカヨコに発破をかけるフクちゃん©安野モヨコ/Cork
フクちゃんは女子マンガで知りたいことを教えてくれる先導者。かつてカヨコのルームメイトでもあったフクちゃんは、前作から恋にも仕事にも手を抜かない素敵女子で、カヨコへも辛辣にアドバイスする完璧主義のリアリスト。本作では、家庭や仕事、そして恋と、40代の揺らぎをリアルな視点でえぐってくる。
事故物件オトコとのワンナイトチャンスをものにするも、遊ばれるかもしれない…と二の足を踏むカヨコに、「いつまで受け身でいるつもりなの」と喝!遊ぶも遊ばれるも自分次第、男をどうしたいかを想像しろと、カヨコを奮い立たせる。
「厳しい言い方をしていますが、求められることが当然ではないというのは、たしかにそう。待ちの姿勢では誘われにくくなるけれど、かといってすぐに動けるわけでもないんですよね。若い時の感覚のまま恋愛してしまいそうになるのは、なぜなんでしょう…。40代の恋愛は価値観をアップデートし、自ら行動すべし。主導権は“我こそにあり”なのです」
40代の恋愛は自分のハッピー探し
「『後ハッピーマニア』で描かれる大人の恋愛模様。今回はその中でもとくに印象的な3人の女性をご紹介しました。あえて古風な女性を演じる寿子と新しい女性として生きるフクちゃんでは、正反対のように見えますが、実は主体的に行動しているという共通点があります。主体的であるためには、経済的に、精神的に自立していることがキーポイントになるのかもしれません。そして、たとえいま、あなたの家庭がうまくいっていたとしても、カヨコの例を心に留めておくと、後々いいことがあるかもしれません。いつ何時、何があっても良いように、心の準備をしておくことは大事です。恋愛のリハビリももちろん必要!ちなみに、私自身は“推し活”がちょっとしたトキメキの練習になるのでは?と思っています(笑)」
酸いも甘いも嚙み分けた40代。
待ちの姿勢ではなく、自分のためのハッピーな恋、掴み取っていきませんか?
『後ハッピーマニア』
著者:安野モヨコ
判型:ソフトカバー
現在4巻まで好評発売中。
取材・文/竹永久美子
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