今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ささやかな神秘
今週のさそり座は、どんなにささやかであれ、命懸けになれるものを見出していくような星回り。
『切株やあるくぎんなんぎんのよる』(加藤郁乎)という句のごとし。ひらがなに異なる二つの読みをもたす「掛詞(かけことば)」が見事にきいた一句であり、まるで手品のような言葉遊びの極致でもあります。
ただ、そう言うと、しょせん空疎な言葉遊びなんだ、と開き直っているかのように聞こえるかも知れませんが、作者が苦しみながらもその先へと突き抜けるために、わずか十七音の短い言葉のつらなりに命を懸けていることも、掲句からひしひしと伝わってくるのではないでしょうか。
あなたもまた、他人がドン引きするほど狂える対象にとことん向きあっていくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
落ち着くための工夫を
今週のいて座は、生活のグランドデザインに創意工夫をほどこしていこうとするような星回り。
『バックミンスター・フラーの世界―21世紀エコロジー・デザインへの先駆』によれば、彼は実験を通じ、疲れを感じたり眠くなったりするのは、体や頭脳を酷使しすぎた証拠であり、その時点で休憩をとって疲労から回復しなければならないという確信にいたります。
そして最終的には、6時間仕事をするたびに約30分仮眠する。あるいは、「集中力の崩壊」が起きたら6時間もたっていなくても寝る、というスタイルを確立します。それで彼はうまくいき、七十代まで働き続けたのです。
あなたもまた、流行りや“普通”のライフスタイルを当たり前のものとする代わりに、フラーのように自分の体質にあった睡眠ライフを模索してみるといいかも知れません。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自然と顔を合わせてみる
今週のやぎ座は、いろいろな意味で英気を養っていこうとするような星回り。
『月の夜を蟹ゆでる湯のたぎりをり』(大橋富士子)という句のごとし。茹ですぎては風味が落ちるが、茹で足りないと肉がしまらない。大鍋からわきあがる湯気の熱が、冷え冷えとした月明かりの中、身体を芯から温めてくれる。後は目にも鮮やかな蟹をほおばり、それをあてに酒をあおれば、もはや言うことはない。
むろん、掲句はなにも本能的な欲の限りを尽くした一句とは限らない。ふいに鍋で煮られる蟹に憐憫の情をおぼえ、それゆえにこそ、ひとしお月光の冴えを感じたのだとすれば、その方がよっぽど人間的だろうとは思う。
あなたもまた、自分を芯から温めてくれるものを取り込んでいくべし。