ころんとしたクルミのようなものの中身は、ほどよい甘さの胡桃プラリネショコラ。「いつ食べようかなぁ」と自分のなかで食べるベストなタイミングを考えながら食べ進めていく時間が楽しい。ぜいたくなごほうびタイムに、ひたすら酔いしれましょう。
焼き芋ジェラートに繊細なキャラメルスパイスクラックランを添えながら、全体を崩さないように慎重に食べ進めていきます。ぎゅっと密度の高い焼き芋ジェラートのひんやり感と甘さ、サクサクッとしたクラックランの食感が口の中で広がります。甘くて、さっぱりしていて。うーん、おいしい!落ち着いた空間の中で、幸せを噛み締めます。この食べている時間こそが、すてきな体験です。
少し上を食べ進めたら、崩れてしまわないように装飾のベジチップスはお皿に移して、丁寧に味わっていくのもいいですね。カボチャチップスやレンコンチップス、サツマイモチップスの形状が、まるでペーパークラフトのようで、これがまた美しい。少し塩気のある味も、いいアクセントになっています。
塩気のあるチップスと、甘いソルベの相性がたまらない!
いよいよ、胡桃プラリネショコラを味わうタイミングがきたようです。1つ丸ごと、口に入れて頬張ります。ああ、幸せ。上品な甘さが口に広がります。
いよいよ、サクサクのクッキーでできた王冠を外していきます。ちょっとずつアイスクリームに付けて、食感を楽しみながら味わいます。
焼き芋ジェラートの下は、黒糖ほうじ茶ジェラート。ジェラートのまわりのサクサクの部分は、カボチャの種が入ったナツメグを利かせたクラックラン。この食感がたまりません。キラキラと輝くジュレ状のものは、ブドウ山椒ハーブティをジュレにしたものだそう。ちょっぴりビターな、大人の味わいです。
食べ進めていくと、旬の柿が出てきました。みずみずしくて、ぷるぷる。果肉感たっぷりです。カルダモンとオレンジの寒天も入っています。いろいろな味のハーモニーと食感は、ただおいしいおいしいと食べるだけではなく、ちゃんと頭で理解しつつ味わって食べたいものです。下には、パンプキンバスクチーズケーキが。最後まで、メインディッシュの連続です。食べ進めるごとにいろいろな味との出合いがあるので、記憶をとどめておくためにもその味の感想をつづりながら食べるのもいいかもしれません。
繊細なプレートのチョコレートで仕切って空間を生み出しているのもお見事。アマランサスというハーブが、アートのようなビジュアルに仕上げています。この空間や余白こそが、岩柳さんの手腕。空間さえも美しく彩られ、ため息が漏れます。
説明カードがありますが、ご提供時にスタッフさんから口頭でも説明をいただけます。特徴的な味の説明や産地などについても教えてもらえます。
ドリンクも、器をそのときどきに合わせたものでスタイリングされています。1時間15分かけて、細部までこだわった味をゆっくりいただく。こんなぜいたくなひとり時間は、気持ちをまろやかにしてくれること間違いなしです。
パフェを堪能した後はテイクアウトのおみやげも買って帰りたい
岩柳さんが生み出すケーキのコンセプトは、「notre inspiration,c’est vous.(インスピレーションの始まりは、あなた。)」。そのケーキが目の前に現れたときには、思わず食べずにはいられなくなる。誰かが幸せそうに頬張る姿を思い浮かべながら作られた、思い出に残るケーキです。
ケーキの種類は、常時25種類ほど。「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」が一番ラインアップが揃っています。
「パルフェ ア アンポルテ(桃)」1836円(※販売終了、取材時の価格)
パフェと同じ内容をテイクアウトして家で食べられるようにと作られた「パルフェ ア アンポルテ(=持ち帰り)」。そのときに提供しているパルフェビジュー®︎の味わいを楽しめる2種類の「パフェ ア アンポルテ ビジュー」と季節のフルーツを使用したシンプルな「パルフェ ア アンポルテ」が並びます(ラインアップは日により異なる)。