おしゃれなカフェや注文住宅などを手がける工務店が、腕利きのパティシエとの出会いでオープンさせた焼き菓子のお店「焼き菓子『日はうたう』」(やきがし『ひはうたう』)」。空間の心地よさはもちろん、お菓子のおいしさも一級品です。
一軒家のすてきな空間で営む焼き菓子カフェ
左京区一乗寺にある焼き菓子のお店『日はうたう』。ほのぼのとした名前を持つお店の界隈には、児童公園や無人の野菜販売所などがあり、ゆっくりとした空気が流れています。
周りとの調和を壊すことなく、でも、ぱっと目を引く片流れ屋根と木の外壁。この一軒家が「吉村工務店」の事務所兼カフェです。
焼き菓子店なのに、工務店の名前が連なるのはなぜ?と不思議に思っていたのですが、もともと販売のためではなく、家を建てたお客さまへのお礼やご挨拶に添えるためにお菓子を焼いていたそう。
工務店のお客さまにはカフェのオーナーや料理人など食のプロも多く、その方々からとても好評だったそう。あるときお茶の先生をしている方から「お茶会用のお菓子を人数分作って欲しい」との依頼があったことをきっかけに、慌てて焼き菓子&カフェのお店をオープンさせたのだとか。
カフェのスペースも元はDIY好きのお客さんが集まる作業場としても使われていた多目的スペースで、そのままほとんど手を加えることなくカフェスペースに移行。使い込まれて味のある古道具やアンティークな家具はほとんどがお客さまからのいただきものなのだとか。
芸術系の大学を卒業した娘さん創作の椅子もあり、たくさんの人たちの感性で選ばれたモノたちが集まって居心地のよい空間を作ります。
差し込む光の落ち方で、時間の経過を知る。そんなアナログな時の過ごし方をしたくなる場所です。
焼き菓子店だけど、これは食べておきたいグラスデザート
「姫りんごと紅玉のコンポート&チャイプリン」 770円
さて、気になるカフェメニューのご紹介です。焼き菓子が主役のお店ですが、時々登場する「本日のグラスデザート」もぜひぜひ食べてみてほしい一品。この日のデザートは「姫りんごと紅玉のコンポート&チャイプリン」。日々の内容は、手に入った果物などの素材によって決まります。この日はとてもよい姫りんごが入ったとのことで、姫りんごを主役にしたデザート。
グラスの中は底からチャイのプリン、自家製バニラアイス、生クリーム、リンゴのコンポート、自家製バニラアイスと層をなし、上には姫りんごのシロップ煮がまるごと1個ぜいたくにのっています。食感のアクセントに入れられたクランブルも卵、乳製品不使用のビーガンクランブルを使うなど、おいしさのために細部までこだわりが。
チャイのプリンはオーガニックの紅茶葉にスパイスを加えて煮出したものを使って手づくり。とてもよい材料と手間のかかったグラスデザートが770円~とはかなりの高コスパ。リピートする人が多いのもうなずけます。ちなみにイチゴや柑橘が主役になるときは、チャイプリンの代わりにゼリーになり、紅茶のゼリーは、老舗紅茶専門店「マリアージュ フレール」の茶葉を使用。フルーツに合わせて茶葉を選ぶというこだわりぶりです。
自然な甘さを生かしてシンプルに仕上げた焼き芋ラテとハーブのマフィン
「ぽってり焼き芋ラテ」605円
ドリンクには、秋の名物「ぽってり焼き芋ラテ」をチョイス。ねっとりとした芋の食感はドリンクというよりもスープ。オーブンでじっくりと焼き上げた焼き芋の甘さを生かした仕上げで、サツマイモの自然な甘さが舌にやさしく広がります。お腹のもちもよいので、ブランチにも使えそう。
販売されている焼き菓子は、カフェでイートインもできます。メニューに気になる焼き菓子を見つけました。
「イタリアン&ジャパニーズハーブのマフィン」418円
「イタリアン&ジャパニーズハーブのマフィン」。オレガノ、ローズマリー、バジル、タイム……何種類ものイタリアンハーブに加わる日本のハーブは青ネギ! どんなふうに味が響き合うのか、とっても気になります。
実際にいただいてみると、イタリアンハーブの味と香りにネギ等がそっと風味を添える奥行きのある味わい。好みがわかれるお菓子とのことでしたが、ハーブ好きにはたまらない一品です。