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会議室では「SDGsって大事」でも着る服がない。老舗アパレル4代目が開発した、スーツに合う新素材

素材で世界を変える

海外には、新しい素材を開発し、自社ブランドを立ち上げてBtoCのビジネスをすると同時に、素材を大手アパレルにシェアするBtoBによって規模を拡大したスタートアップがあります。

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「吸湿性のあるカポックは素材としての可能性も無限です」と深井さん
写真提供:KAPOK JAPAN

僕たちも、カポックをアウターとは別の用途の素材として国内の事業会社に使ってもらう業務提携を進めています。

自社ブランドがあるからこそできることもあって、2023年には「Ron Herman(ロンハーマン)」とのコラボレーションにより、全国の百貨店でポップアップが実現しました。

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ロンハーマンとコラボした植物由来100%のコート「Plant-Based Down 2030:Gathering」
写真提供:KAPOK JAPAN

通常はカポックにリサイクルポリエステルを混ぜていますが、このコラボ商品のコートは、表地から中綿、縫い糸まですべて植物由来の素材でつくっています。

このため数量限定で、価格も18万円から25万円と高いです。このコートが今のスタンダードだとは思っていませんが、2030年の世界では、植物由来100%のコートがスタンダードになっているといいなという思いで「Plant-Based Down 2030:Gathering」と名づけました。

スタートアップとして既存の大量生産大量廃棄のビジネスへのアンチテーゼは必要です。ただ同時に、思想を同じくする既存の産業といかに共存共栄していくかを模索することが、ビジネスを大きく広げ、社会を変える力になると考えています。

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