日本人の睡眠時間は、ダントツの世界ワースト1位。OECD加盟国の平均睡眠時間は507.6分(約8時間28分)のところ、日本人の30代女性は437分(7時間17分)。夜な夜な残った家事や仕事を片付けたり、朝はお弁当作りに子どもたちの支度。本当なら、推し活や晩酌だってしたい! そんな中で8時間という数字は、もはや家庭だけで捻出できる時間ではないのかもしれません。でも今、あらためて自分たちで睡眠の大切さに気づき、人生に優先順位をつけて、今こそ睡眠改革を!
世界一寝れない日本女性のためのTips自分のために、家族のために
ママだって、寝るのは仕事です!
女性の睡眠を守る社会変革を!
◉profile
精神科医・睡眠医療専門医
西多昌規先生
早稲田大学スポーツ科学学術院教授、早稲田大学睡眠研究所所長。東京医科歯科大学医学部卒業。『医師が教える幸せな人がやめている36の習慣』(大和書房)など著書多数。
日本人、特に
30~50代日本女性の睡眠不足は世界ワースト1
。OECD加盟国では女性の方が長く寝ている国の方が多く、8時間睡眠が標準です。女性の方が短いのは、日本など東アジア、インドなど、平たく言えば男尊女卑系の国ですね。日本女性の睡眠時間が短い理由は
やはり夫が家事をしていない、それに尽きます。
また女性に限らず男性も睡眠時間が世界的に見て短いのですが、国民性によるところも大きい。日本では食≫睡眠の価値観で、求める家事レベルも高く、「寝るのがもったいない」マインドが強いんです。
「スリープテック」というワードもありますが、日本人は短い睡眠で効率よく寝たいと考えがち。でもやはり、心と体の健康のためには睡眠「時間」を確保したい。ここは解決法が難しいところで、夫の家事育児参加のほか、やはり社会が変わる必要がある。産休育休が増えようが、日本の会社は子持ちに冷たいですね。子どもに優しい海外の国は女性の睡眠も長い傾向にあります。
子育てする人や子どもへ、社会の許容度を上げないことには女性の睡眠時間は伸びないでしょう。
今、日本睡眠学会では政治家に働きかけ、政策に活かしてもらおうと活動を始めています。社会全体で「睡眠」の大切さをシェアし、意識を高めていけたらと思います。
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