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都会のこどもが過疎地の古民家にきたら、近所から野菜が届いた。「あてにしない」から起こる"豊かさの循環"

ライフスタイル

自治の意識が浸透

待機児童が多い都市部では、公的な保育の基準からこぼれ落ちると、民間の保育サービスに料金を払って自力で解決するしかありません。雲南市ではそのいずれでもない「共助」が自然体で機能していることが、子育てしやすさにつながっています。

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「ここがあったから二拠点生活に挑戦できた」と話す、岩田翔平さん(左)
Akiko Kobayashi / OTEMOTO

2004年に6町村が合併してできた雲南市。東京23区と同程度の面積なのに山林が8割を占め、人口は3.5万人。高齢化率は4割を超え、全域が過疎地に指定されています。

合併を機に、住民が主体となって地域づくりを進める自治の取り組みが始まりました。市は「市民が主役のまちづくり」を掲げ、住民のチャレンジを後押しする仕組みをつくりました。2011年に開講した、社会起業や地域貢献を志す若者をサポートする次世代育成事業「幸雲南塾」もその一環で、CNC創業者の矢田明子さんは1期生でした。

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誰でも気軽に立ち寄りやすいよう、定期的にイベントが開催されている
Akiko Kobayashi / OTEMOTO

幸雲南塾など市内の起業家育成プログラムを運営してきたNPO法人おっちラボ代表理事の小俣健三郎さんは、こう話します。

「雲南は日本の過疎地としてとりわけ特別な地域ではありません。ただ、合併当初から自分たちが住む地域の計画を立て、予算配分も決めて優先課題に取り組んできた自治の意識が、実行力として浸透している面はあると思います」

「私が移住してきた8年前と比べると起業家が増え、空き店舗を活用する人たちによってシャッター街だった商店街の風景も変わりつつあります。この地域で新しいことが起ころうとしている空気を感じます」

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Akiko Kobayashi / OTEMOTO

岩田さんは、雲南市にはさまざまなチャレンジを生み出す仕組みがあることを肌で感じています。小俣さんのように相談に乗ってくれる起業家や、おもしろい取り組みをしている地域の人たちと出会い、自身も新しい働き方や暮らし方に挑戦することで、その一人になろうとしています。

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