4月に入り、新生活を始めた方や、これまでと異なる仕事や勉強などに挑戦し始める方もいるのではないでしょうか。楽しみと同時に不安も感じやすいこの時期、背中を押してもらえたり、気分が軽くなったりする本を3冊ご紹介。働く女性のための選書サービスを行う「季節の本屋さん」で特別にセレクトしていただきました。
慌ただしい日々でも、読書で気持ちを切り替え
異動や進級などで環境の変化があり、慌ただしくなりがちな春。短い時間で心を落ち着けてリフレッシュするなら、読書もおすすめです。
そこで、オンラインで働く女性のための選書サービスを行う「季節の本屋さん」と、東京・国立にある「書店有給休暇」の店主・ナカセコエミコさんに、新生活の時期におすすめの本をうかがいました。
普段読書をあまりしないという方でも親しみやすく、数ページ読み進めるだけでも前向きになれる3冊の本をご紹介します。
働く母が伝授する仕事への向き合い方
『明日も出勤する娘へ』(サンマーク出版)著:ユ・インギョン
韓国でロングセラーとなっている書籍。テレビ出演や講演会などもこなす新聞記者で、母親でもある著者が、後進の女性たちにアドバイスをしてくれる一冊です。実際に働き始めた娘からの相談にこたえるかたちで綴られています。
「著者が長くキャリアを積み重ねているからこそ語ることができる、仕事の工夫やモチベーションの維持法、心身の守り方、オフィスでの振る舞いなど、実践しやすい内容が凝縮。どれも、あくまで『母から娘へ』という目線に愛を感じます。そして、そっと背中を押してくれるような言葉に勇気をもらえます。」(ナカセコエミコさん、以下同)
『明日も出勤する娘へ』
発行:サンマーク出版
定価1,540円(税込)
日々の格闘に共感し頑張ろうと思える
『おつかれ、今日の私。』(マガジンハウス)著:ジェーン・スー
コラムやポッドキャスト番組が人気のジェーン・スーさんのご自愛エッセイ。友人や自らが体験したエピソードとそれに対するメッセージがひとつにつき3~4ページで綴られ、スキマ時間にパッと読めて、元気づけられる本です。
「バリバリ仕事をこなし、新しいことに臆することなく挑戦しているように見える著者。でも、その毎日は私たちと同じように不本意な何かと戦っていたり、それをなんとか交わしたり。スパッとアドバイスをしてくれる章もあれば、とほほな気分を吐露する章も。スーさんも頑張っている、だから私も前に進もうと思えるような一冊です。」
『おつかれ、今日の私。』
発行:マガジンハウス
定価1,540円(税込)
温かなメッセージを感じるサステナブルな絵本
『OHISAMA BOOK』(ニジノ絵本屋)著:マナ・テライシ
「ある朝、あなた宛に本が届きました。差出人はなんと、おひさまです!」と始まる絵本。シンプルでかわいらしいイラストと詩のように軽快な文章が、すっと心に入ってきます。
「仕掛け絵本のような工夫もあって楽しく、疲れているときも負担なく読み進められます。そして、込められたメッセージがとても優しいのです。自分のことも、関わる誰かのことも大切にしながら、一歩踏み出していくことを応援してもらえるような本。装丁も素敵でプレゼントにもおすすめです。」
この本にはもうひとつ特徴が。
「国産の竹紙に、ベジタブルインクで印刷されています。土に埋めると分解されて地球に還るサステナブルな絵本です。」
『OHISAMA BOOK』
発行:ニジノ絵本屋
定価3,055円(税込)
躊躇わずに一歩を踏み出す支えになる本
ナカセコさんは今回の本について「20代30代の方が、何かを始めて失敗したり挫折してしたりすることを恐れて、一歩踏み出すことを躊躇わないようにしてほしい」との想いで選んでくださったと言います。
「何かを始めてみたら、嫌な思いをしてやってらんないなとか、自分が嫌いになるような日もあるかもしれません。それでも『まあやらないよりいいよね』『始めた自分を労ってあげよう』くらいの気持ちで、やってみたいことを始めていただきたいなと。そんなときに受け皿になってくれるような本のラインナップです。」
最近読書ができていなかった私も気になって、早速読んでみました。
『明日も出勤する娘へ』は、厳しくも優しさのある母からの助言のよう。「なるほど、そう考えればいいのか」という発見や納得がいっぱいです。
『おつかれ、今日の私。』は、「そんなことあるよね」と共感できることがたくさん。スーさんに励ましてもらっているような気持ちになれます。
『OHISAMA BOOK』は童心に帰れるような本。自分のままで、ゆっくり進んでいいと言ってもらえているようでした。